ピンタド (潜水艦)

ピンタド (USS Pintado, SS-387)

ピンタドは、アメリカ海軍のバラオ級潜水艦であり、第二次世界大戦において重要な役割を果たしました。艦名はスペイン語で「まだら」を意味し、斑模様の魚を指します。アメリカの公文書によると、艦名はフロリダ沖及び西インド諸島に生息するサバ科の魚、セロに因んでいると考えられています。

艦歴

ピンタドは1943年5月7日にメイン州キタリーのポーツマス海軍造船所で起工され、1944年1月1日に艦長バーナード・A・クラーレイ少佐の指揮の下就役しました。その後、様々な訓練や公試を経て、1944年5月に初めての哨戒任務に出発しました。

第1の哨戒（1944年5月 - 7月）

1944年5月16日、ピンタドは「シャーク」や「パイロットフィッシュ」と共にウルフパックを編成してマリアナ諸島方面へ向かいました。この哨戒中、ピンタドは初めて輸送船団を攻撃し、特に「東豊丸」を撃沈し、その後も「鹿島山丸」や「はあぶる丸」を攻撃し、相手に大きな打撃を与えました。ピンタドの行動は、当時のサイパン防衛に深刻な影響を及ぼしました。

第2の哨戒（1944年7月 - 9月）

7月24日、ピンタドは2回目の哨戒を東シナ海へ向けて出発し、数回にわたり敵艦を撃沈しました。その中でも「第二図南丸」の撃沈は、アメリカ潜水艦によって沈められた最大の商船となりました。

第3の哨戒（1944年10月 - 1945年1月）

1944年10月、ピンタドはウルフパック『クラーレイズ・クラッシャーズ』を形成し、ルソン海峡へ進出。この哨戒では日本艦隊との接触があり、数回の攻撃を行いました。特に「多摩」の撃沈は注目され、大きな戦果を挙げました。1945年1月に帰投する際には、艦の功績によって殊勲部隊章が授与されました。

第4、第5、第6の哨戒（1945年1月 - 8月）

その後もピンタドは複数回の哨戒を敢行し、特に救助任務に従事しました。6月には東京への空襲に向かうB-29の乗員を救助し、その任務を無事完遂しました。8月15日の戦争終結後、ピンタドは安定した運用を続けました。

戦後の動向

1945年9月、ピンタドはサンフランシスコに回航され、1946年には退役しました。その後、1962年に実験潜水艦として改編され、最終的に1969年に除籍されました。彼女は太平洋戦争において8隻の船を沈め、トン数は42,956トンに達しました。現在、その司令塔はテキサス州の国立太平洋戦争博物館に展示されています。ピンタドの戦歴は、アメリカ海軍の潜水艦作戦の中でも特に重要なものとして記憶されています。

もう一度検索