ピンタ号

ピンタ号は、クリストファー・コロンブスが1492年の新大陸への航海で使用した3隻の船のうちの1隻です。他の2隻は、サンタ・マリア号とニーニャ号でした。

概要

ピンタ号はキャラベル船の一種で、排水量はおよそ80トン程度と推定されています。船名はスペイン語で「ほくろ」を意味します。三本マストで、船首のバウスプリットにスプリットセイルを備えていたという説もあります。武装は自衛用の旋回砲が数門程度であったと考えられていますが、詳細は不明です。

コロンブスの航海は、カスティーリャのイサベル女王からの資金援助を受けましたが、それだけでは十分ではありませんでした。コロンブスは、船や船員、追加の資金を調達するのに苦労しました。ピンタ号はクリストバール・キンテーロという人物の所有船で、船長はピンソン3兄弟の長兄、マルティン・アロンソ・ピンソンが務めました。次兄のフランシスコ・マルティン・ピンソンは航海士として乗船しました。

新大陸への航海

1492年8月3日、ピンタ号はスペイン南部のパロス港を出港し、9月6日にカナリア諸島に寄港した後、大西洋横断を開始しました。10月12日の夜明け、現在のバハマ諸島にあたる地域で、乗組員がヨーロッパ人にとって未知の島を発見し、コロンブスによってサン・サルバドル島と名付けられました。

その後、船長のマルティン・アロンソ・ピンソンの独断で、一時的に他の2隻と離れて別行動を取りました。1493年1月にはコロンブスと再合流し（当時コロンブスはサンタ・マリア号を失っていました）、ニーニャ号と共にスペインへ帰還し、3月15日にパロス港に帰着しました。

その後

ニーニャ号とは異なり、ピンタ号のその後の消息は分かっていません。往路での舵の故障（コロンブスは事故ではなく、人為的な破壊工作だと考えていました）や、無断での船団離脱などから、コロンブスはピンタ号の乗組員に不信感を抱いていたとされています。

ピンタ号の復元

1992年のコロンブスによるアメリカ大陸到達500周年を記念して、サンタ・マリア号、ニーニャ号と共にピンタ号も復元されました。この復元計画は1986年に開始され、復元された船体は、1992年にスペインのセビリアで開催されたセビリア万博で展示されました。

また、1892年のアメリカ大陸到達400周年を記念して、サンタ・マリア号、ニーニャ号と共にピンタ号が復元され、アメリカのシカゴで開催されたシカゴ万国博覧会 (1893年)で展示されました。

もう一度検索