ピーカブー (証券サービス)

ピーカブー（Peekaboo）の歴史とその活躍

ピーカブーは、日興コーディアル証券（現在のSMBC日興証券）が、ローソンと協力して提供した個人向け証券サービスです。このサービスは、特に投資を始めたばかりの方をターゲットにしており、「コンビニで株が買える」という新しいビジネスモデルとして注目されました。

サービスの開始

ピーカブーは2004年に始まりましたが、その背景には2003年の証券取引法の改正があります。この改正により、証券会社以外の業者が金融商品の仲介を行うことができるようになりました。これを機に日興コーディアル証券はローソンと業務提携を結び、全国の地域で利用できる証券総合サービスを展開しました。サービス名の「ピーカブー」は、英語の遊び言葉「いないいないばぁ」と、株のことを覗き込むという意味を持つ「Peek」を掛け合わせたものです。

ピーカブーは、特に証券に不慣れなビギナー層を意識しており、広報活動にも力を入れました。印象的なキャラクターのロゴは、株から派生した蕪をモチーフにしたイラストが使用され、テレビCMには井ノ原快彦が登場しました。

利用方法

ピーカブーを利用するためには、ローソン店舗で設置された開設キットを使って専用の証券口座を開く必要がありました。ユーザーにはピーカブーデザインのカードが送られ、Loppiのタッチパネルを使って株式や投信の取引が行えました。さらに、「日興イージートレード<ピーカブー版>」というオンライントレードサービスも利用可能でした。これにより、入金から株式購入までをローソンの店舗内で完結することができる利便性がありました。

ただし、取引を行うためには、法律によりコンビニ店員がピーカブー取引に関与できなかったため、ユーザーはコールセンターを通じてサポートを受ける必要がありました。これはコンビニの店員が銀行の代理店ではないのと同様の理由です。

サービスの終焉

ピーカブーは便利なサービスであったものの、取引スピードの遅さと高額な手数料が相まって利用が伸び悩みました。特に、リアルタイムで株価が変動する市場において、Loppi経由の取引では即時対応が難しく、競合のオンライン専業証券会社と比較すると市場での競争力が不足していました。尽くされるサービスの価値が見えにくくなったことから、2008年に新規申し込みが終了し、同年6月にはピーカブーサービス自体が終了しました。

マスコットキャラクターとしてのピーカブー

ピーカブーは、サービス名と同じマスコットキャラクターも持っており、当初はそのキャラクターも積極的にプロモーションに使用されていました。キャラクターは、日興コーディアルが支援している川崎フロンターレのホームゲームにも登場し、人気を集めました。サービスが終了した後もキャラクターは存続し、2014年には新たな名称が決定されるまで「ピーカブー（仮）」として活躍していました。

最終的には、新たに「カブレラ」という名前が付けられ、川崎フロンターレの公式マスコットとして活動を続けました。カブレラはパートナーとの結婚式を挙げ、さらには子供も誕生するなど、フロンターレのアイコンとして広く認知されています。現代においても、カブレラは地域のイベントや試合でファンに愛される存在であり、ピーカブーの影響を受け継いでいます。

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