ピーター・ファン・ローエン

ピーター・ファン・ローエン（Pieter van Royen、1923年 - 2002年）は、オランダ出身の著名な植物学者であり、特にニューギニアの植物に関する研究で国際的な名声を得ました。

生涯と研究

ファン・ローエンは、1923年にインドネシアの南スマトラ州ラハトで生まれました。1933年に家族とともにオランダへ移住し、ユトレヒト大学に進学しました。大学では新熱帯区に生息するカワゴケソウ科（Podostemaceae）の水草に関する詳細な研究を行い、1951年に博士号を取得しました。

博士号取得後、1951年から1952年にかけてライデンのオランダ国立植物標本館で研究員として勤務しました。その後、1954年から1955年にかけてニューギニアで植物調査を開始し、この地域での広範な野外調査の足がかりを築きました。1962年から1965年までの間は、パプアニューギニアのラエにある植物園で、現地の植物研究に尽力しました。また、オーストラリアのブリスベンにあるクイーンズランド植物標本館でも研究活動を行いました。

1967年からは、ハワイ州ホノルルのバーニス・P・ビショップ博物館の標本室で学芸員を務め、1983年までその職を全うしました。この間もニューギニアの植物研究を継続し、特に植物分類学の分野で多大な貢献をしました。彼の研究は、ニューギニアの植物相の理解を深める上で非常に重要な役割を果たしました。

ファン・ローエンの業績を称え、オーストラリアのクイーンズランド州に固有のアカテツ科植物の一属に「Van-royena」という献名がなされています。これは、彼の植物学における貢献が世界的に認められている証と言えるでしょう。

主な著作

ファン・ローエンは数多くの学術論文や書籍を発表しており、その中でも特に重要なものを以下に示します。

The Podostemaceae of the New World, Vol. I, in: Meded. Bot. Mus. Herb. Rijks Univ. Utrecht, 107:1-151, 1951
The Podostemaceae of the New World, Vol. II, in: Acta Bot. Neerl. 2 (1): 1-21, 1953
The Podostemaceae of the New World, Vol. III, in: Acta Bot. Neerl. 3: 215–263, 1954
The genus Rubus [Rosaceae] in New Guinea, Vaduz, Cramer, 1969
P. van Royen & P. R. Reitz, Podostemáceas, in: P. R. Reitz. (Hrsg.). Flora Illustrada Catarinense, 1a (5):2-36, 1971
Sertulum Papuanum 17. Corsiaceae of New Guinea and surrounding areas, in: Webbia 27: S. 223–255, 1972
The alpine flora of New Guinea, Vaduz, 1979, ISBN 3768212440
Genus Corybas (Orchidaceae in Its Eastern Areas), 1984, ISBN 3768213676

これらの著作は、カワゴケソウ科やニューギニアの植物相に関する理解を深める上で、非常に重要な文献となっています。

参考文献

Biographie und Bibliographie beim Nationaal Herbarium Nederland
Biographie und Würdigung auf der Homepage von C. Thomas Philbrick, Western Connecticut State University

これらの参考文献は、ファン・ローエンの生涯と業績をさらに深く理解するための貴重な情報源です。

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