ピーター・フランプトン

ピーター・フランプトンは、1950年4月22日生まれ、イングランド出身のロックミュージシャン、シンガーソングライター、ギタリストです。彼は、その50年以上にわたるキャリアの中で、数々のバンドを経てソロアーティストとして成功を収め、ギターボーカルの先駆者の一人として広く認知されています。

初期のキャリア

ロンドンで生まれたフランプトンは、幼少期から音楽に親しみ、ブロムリー・テクニカル・ハイ・スクールでは、美術教師であった父オーウェンの教え子、デヴィッド・ボウイと出会い、共にジャムセッションに明け暮れました。1966年には、アイドルバンドのザ・ハードに参加し、その美少年のようなルックスからティーンエイジャーを中心に人気を集めました。しかし、フランプトンはアイドル的な扱いに飽き足らず、より音楽的な自由を求めて、スモール・フェイセスのスティーヴ・マリオットとハンブル・パイを結成します。

ハンブル・パイ時代

1969年にマリオットと共に結成したハンブル・パイは、当初こそ二枚看板として期待されましたが、次第にマリオットのブルージーでソウルフルな音楽性が色濃くなり、アコースティックなサウンドを志向していたフランプトンは、徐々にグループ内での居場所を失っていきました。1972年、彼はハンブル・パイを脱退し、ソロとしての道を歩み始めます。

ソロとしての成功

ソロ活動を開始したフランプトンは、地道な全米ツアーを通じて着実にファンを増やしていきました。そして1976年、彼の努力が結実し、ライブ・アルバム『フランプトン・カムズ・アライヴ!』が全米No.1を獲得、全世界で1,000万枚以上を売り上げるという驚異的な大ヒットを記録します。このアルバムからは、「Show Me the Way」、「Baby, I Love Your Way」、「Do You Feel Like We Do」といったヒット曲が生まれ、フランプトンは一躍、世界的なロックスターとなりました。

その後

1970年代後半には、「I'm in You」などのヒットを放ち、映画『サージェント・ペパーズ』にも出演するなど、その人気は頂点を迎えました。しかし、1980年代に入るとセールスは低迷し、苦しい時期を過ごします。それでも彼は、コンスタントに作品をリリースし続け、1987年にはデヴィッド・ボウイのアルバムに参加、ツアーにも帯同するなど、精力的に活動を続けました。

1990年代には、スティーヴ・マリオットとの再会とアルバム制作を計画しますが、マリオットの突然の死によって頓挫。その後、1995年には『フランプトン・カムズ・アライヴ! II』をリリースし、2006年にはインストゥルメンタル・アルバム『Fingerprints』でグラミー賞を受賞するなど、新たな音楽の可能性を追求しました。

近年の活動

2010年には、北朝鮮拉致被害者の横田めぐみに捧げた楽曲を収録したアルバムを発表。2019年には、封入体筋炎という難病に侵されていることを公表し、フェアウェルツアーを行うことを発表しました。2024年には、ロックの殿堂入りを果たし、彼の音楽的な功績が改めて評価されています。

音楽的な特徴

フランプトンは、トーキング・モジュレーターの使い手としても知られており、自らエフェクターブランド「Framptone」を立ち上げるほどのこだわりを持っています。また、ブラック3ピックアップのレスポールを愛用し、彼の代名詞ともなっています。

彼の音楽は、ロック、ブルース、ポップなど、様々な要素が融合したものであり、そのギタープレイは、多くのギタリストに影響を与えています。

ディスコグラフィー

ザ・ハード、ハンブル・パイ時代のアルバム
『フランプトン・カムズ・アライヴ!』
『Fingerprints』
『サンキュー ミスター・チャーチル』
* その他多数のスタジオ・アルバム

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