ファイヤープロレスリング3 Legend Bout

ファイヤープロレスリング3 Legend Bout：PCエンジンを熱狂させたプロレスゲーム

1992年、日本のゲームメーカーヒューマンよりPCエンジン用ソフトとして発売された『ファイヤープロレスリング3 Legend Bout』（以下、『ファイヤープロ3』）は、人気プロレスゲームシリーズの第3作目です。シリーズを通してPCエンジン版最後の作品という位置づけであり、多くのプロレスファンを熱狂させました。

前作からの進化と新たな試み

前作『ファイヤープロレスリング2nd BOUT』から約1年3ヶ月、メガドライブ版『サンダープロレスリング列伝』からは約8ヶ月ぶりに登場した本作は、レスラー数を前作の倍となる32名に増加。さらに、プレイヤー自身がオリジナルのレスラーを作成できるエディットモードを搭載するなど、大幅な進化を遂げました。

ゲームシステムは前作を踏襲しつつも、新たな要素が追加されています。PCエンジン版初となるリーグ戦モードや、ダウン中の関節技に上半身と下半身の区別が追加されたことで、戦略性の幅が広がりました。また、イリミネーションマッチには軍団要素が追加され、よりリアルなプロレス体験が可能となりました。隠しレスラーとして、ザ・デストロイヤー、力道山、ルー・テーズ、カール・ゴッチといったレジェンドレスラーが登場するのも、ファンにとって大きな魅力でした。

魅力的なレスラーと洗練されたゲーム性

全28名（隠しレスラー4名を含む）のレスラーは、すべて実在のプロレスラーがモデルとなっており、当時のプロレス人気を反映した豪華な顔ぶれとなっています。これらのレスラーの個性豊かな技や、リアルな試合展開は、プレイヤーをプロレスの世界へと引き込みます。

エディットモードでは、最大4名までオリジナルのレスラーを作成可能。容姿や得意技などを自由に設定することで、自分だけのオリジナルレスラーを育て、対戦を楽しむことができます。この要素は、本作の大きな特徴であり、プレイヤーの創造性を刺激しました。

惜しまれる発売時期と高い評価

『ファイヤープロ3』は、スーパーファミコン版『スーパーファイヤープロレスリング2』の発売時期と近かったことから、市場での競争に苦戦したという見方もあります。しかし、ゲーム雑誌『ファミコン通信』、『月刊PCエンジン』、『マル勝PCエンジン』、『PC Engine FAN』などでのレビューでは高い評価を得ており、そのゲーム性や完成度の高さが認められています。特に、当時のプロレスファンを魅了した人気レスラーの登場や、エディットモードの搭載は、高く評価されました。

ゲーム本『プロレススーパーゲーム列伝』では、発売時期の悪さを指摘しつつも、本作を良作と評価。スーパーファミコン版と比較しても遜色ない出来栄えであると主張し、色数や音質では劣るものの、人気レスラーの収録やエディットモードといった魅力的な要素を高く評価しています。

バーチャルコンソール配信とその後

2008年にはWiiのバーチャルコンソールで配信され、改めて多くのプレイヤーにプレイされる機会を得ました。現在でも、多くのレトロゲームファンから高い評価を受け続けており、PCエンジンを代表する名作プロレスゲームとして語り継がれています。本作は、当時最先端の技術とプロレスへの深い愛情が注がれた、時代を超えて愛される名作と言えるでしょう。開発スタッフの熱意と才能が凝縮された『ファイヤープロレスリング3 Legend Bout』は、これからも多くのゲーマーを魅了し続けることでしょう。

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