ファフ・デ・クラーク

フランソワ・“ファフ”・デ・クラーク

1991年10月19日に南アフリカ共和国ムプマランガ州で生まれたフランソワ・“ファフ”・デ・クラークは、現代ラグビー界を代表するスクラムハーフの一人です。その正確なパス、果敢なタックル、そして卓越したゲームメイク能力で知られ、世界中のファンを魅了しています。特に南アフリカ代表「スプリングボクス」においては、不可欠な戦力として数々の栄光に貢献してきました。

キャリア形成と成長

デ・クラークがラグビーというスポーツに出会ったのは、ネルスプロイトにあるラースクール・バークランドに通っていた頃です。その後、プレトリアのホゥスクール・ウォータークルーフに進学し、本格的にラグビーに打ち込む日々を送りました。ユース世代でのプレーを経て、シニアキャリアをスタートさせたのは、ネルスプロイトを本拠地とするプマスです。2012年から2015年までの3シーズンをプマスで過ごし、経験を積みました。

2014年には、南アフリカ国内の有力チームが競うスーパーラグビーリーグに参加しているヨハネスブルグのライオンズに移籍。ここでは2017年までプレーし、スーパーラグビーの舞台でその能力を発揮しました。また、同時期には南アフリカの国内選手権であるカリーカップに出場するゴールデン・ライオンズでも2年間（2016年と2017年）プレーし、国内での実績も積み重ねました。

2017年からは新たな挑戦として、イングランドのトップリーグであるプレミアシップ・ラグビーに参戦。セール・シャークスに加入し、ハイレベルな欧州の舞台でスクラムハーフとしてのスキルをさらに磨き上げました。

スプリングボクスでの活躍と栄光

南アフリカ代表「スプリングボクス」には、2016年に初めて招集されました。同年6月に行われたアイルランド代表とのテストマッチシリーズで記念すべき代表デビューを飾り、以後、不動のレギュラーとしてチームを牽引します。

デ・クラークのキャリアにおける最大のハイライトの一つは、2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップでしょう。彼はこの大会でスプリングボクスの中心選手として活躍し、特にスタンドオフのハンドレ・ポラードとの連携はチームの攻撃の要となりました。圧倒的な運動量と献身的な守備は、相手チームにとって大きな脅威となりました。10月20日に行われた準々決勝の日本代表戦では、攻守にわたり傑出したパフォーマンスを見せ、後半には自らトライを決めるなど、チームを勝利に導く原動力となりました。この試合での活躍は高く評価され、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれています。

そして、11月2日のイングランドとの決勝戦でも、その粘り強い守備とゲームコントロールで相手の攻撃を封じ込め、南アフリカを3度目のワールドカップ優勝へと導く立役者となりました。小柄ながらも常に体を張り、アグレッシブなプレーを見せる彼の姿は、多くのラグビーファンに感動を与えました。

日本ラグビーリーグワンでの挑戦

2022-2023シーズンからは、活躍の場を日本に移し、ジャパンラグビーリーグワンに所属する横浜キヤノンイーグルスに加入しました。同年12月18日のリーグワン開幕節、コベルコ神戸スティーラーズ戦で途中出場を果たし、日本での公式戦デビューを飾りました。移籍初年度からチームの主要選手として活躍し、その高いレベルのプレーは日本のラグビーファンからも熱い支持を受けています。その実力はすぐに認められ、2022-23シーズンのリーグワンベスト15（SH部門）にも選出されました。

主な受賞歴

ジャパンラグビーリーグワン
2022-23シーズン ベスト15（スクラムハーフ）

フランソワ・“ファフ”・デ・クラークは、その卓越したスキルと闘志あふれるプレーで、世界のラグビーシーンにおいて常に重要な存在であり続けています。横浜キヤノンイーグルスでのさらなる活躍から目が離せません。

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