ファミコングランプリII 3Dホットラリー

『ファミコングランプリII 3Dホットラリー』は、1988年4月14日に任天堂から発売されたファミリーコンピュータディスクシステム用のレースゲームです。前作『ファミコングランプリ F1レース』の続編として、ハル研究所が開発を担当しました。

ゲーム概要

本作は、ラリーカーを操り、設定されたコースを制限時間内にゴールすることを目指すゲームです。プレイヤーは3種類のマシンとコースを選択でき、それぞれ異なる特徴を持っています。また、専用のゴーグルを使用することで、画面を立体的に見ることができる「ファミコン3Dシステム」にも対応しています。

発売当時には、ディスクファックスを使ったタイムトライアルイベントが開催され、参加者にはライセンスカード、入賞者にはトロフィーや文具ケースが贈られました。本作は、ディスクファックス対応ソフトの最後のリリース作品であり、最後の青ディスクゲームとなりました。

ゲーム内容

システム

タイムバンク
各エリアには規定時間が設定されており、時間内にチェックポイントを通過する必要があります。規定時間を超過すると、画面下のタイムバンクが減少し、0になるとエンジンが停止してリタイアとなります。逆に、時間内にチェックポイントを通過すれば、余った時間をタイムバンクに加算できます。レース開始時には20ポイントが与えられ、最大99ポイントまで増やせます。

ホットドットとホットダッシュ
コース上にある「!」マークの付いた赤い点滅オブジェクト「ホットドット」を8個取得すると、15秒間、300km/h以上の超高速で走行できる「ホットダッシュ」が使用可能になります。ホットダッシュ中はカーブでもスリップしません。ホットドットは複数ストックでき、任意のタイミングで発動できます。

耐久度とリペア
障害物や他の車に衝突すると、画面右下のダメージメーターが上昇します。メーターが上限に達するとリタイアとなります。メニュー画面で「リペア」を選択すると、車を停止させて修理できますが、タイムロスが発生します。また、レース開始前に設定できる「リペアポイント」を通過すると、耐久度を全回復できます。

コース

コースは3種類あり、それぞれ5つのエリアで構成されています。各エリアには異なる特徴があり、車の相性を考慮したルート選択が重要です。

ハイウェイ: 舗装された道路で最も速度が出やすいエリア。道幅の広いコースと狭いコースがあります。
草原: ハイウェイに次いで速度が出やすいエリア。車線によっては速度が伸びない場所もあります。
雪道: 雪で覆われたエリア。滑りやすく、操作を誤るとスリップしやすいです。
砂漠: 砂地のため速度が出にくく、ハンドルが取られやすいです。
ダート: 路面が凸凹で速度が出にくく、坂道も多いため、岩にぶつかりやすいです。

マシン

マシンは3種類あり、それぞれ性能が異なります。

KATTOBI（カットビ）: スポーツカータイプ。最高速度は高いが、悪路に弱い上級者向けマシン。
排気量: 1995cc
最高速度: 220km/h
出力: 250ps
トルク: 29.8kgm
ゼロヨン: 13秒71
YONQUE（ヨンク）: 4WDタイプ。安定した性能で雪道に強い初心者向けマシン。
排気量: 3475cc
最高速度: 200km/h
出力: 220ps
トルク: 32.5kgm
ゼロヨン: 17秒03
MONSTER（モンスター）: バギータイプ。速度は遅いが耐久性が高く、悪路に強い中級者向けマシン。
排気量: 4215cc
最高速度: 180km/h
出力: 190ps
トルク: 35.3kgm
ゼロヨン: 15秒59

キャラクター

ドライバー、ナビゲーター: ドライバーはマリオ、ナビゲーターはルイージという設定です。ゲーム中には、リペア時、リタイア時、ゴール時に姿を現します。
妨害キャラクター
街灯、木、岩、柱、看板: コース上に設置された障害物。それぞれ「じゃまだ灯」「なにする木」「あぶな岩」という名前が付いています。
他車: コースを走るライバル車。青と白の2種類があり、それぞれ速度が異なります。

音楽

本作のBGMを収録したサウンドトラックが発売されています。オリジナルバージョンとアレンジバージョンが収録されています。

スタッフ

エグゼクティブ・プロデューサー: 山内溥
プロデューサー: KATTOBI MIYAMOTO（宮本茂）
デザイナー: YONQUE ISSHIN（清水一伸）、MACH HISHIDA（菱田達也）
サウンド・コンポーザー: NIGE NO KANAZASHI（金指英樹）、GSX SUGA（菅浩秋）、JUMP SOYO（岡素世）
プログラマー: MIYA AOKI、WAHYO IWATA（岩田聡）など

評価

ゲーム誌「ファミコン通信」のクロスレビューでは26点（満40点）、「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による『ゲーム通信簿』では17.60点（満25点）でした。

ファミコングランプリII 3Dホットラリー