ファミコン必勝本

ファミコン必勝本について

『ファミコン必勝本』（ファミコンひっしょうぼん）は、1980年代後半に登場した日本のゲーム雑誌で、JICC出版局（現・宝島社）が発行していました。この雑誌は、当時のファミコン関連の情報を網羅しており、人気のあるゲームや攻略法について読者に提供しました。しかも、他のファミコン雑誌と並んで「4大ファミコン雑誌」として知られ、特にそのオールカラーの誌面と手頃な価格は、多くのゲーマーの支持を集めました。

雑誌の歴史と展開

『ファミコン必勝本』の起源は、別冊宝島シリーズの一環である『ファミリーコンピュータ必勝本』にさかのぼります。1984年から1986年にかけて発行されたこのシリーズは、ファミコンゲームの攻略情報を提供していました。この時期は特に若い読者をターゲットにしており、年齢層を幅広く設定しているのが特徴でした。例えば、毛利名人が『ゼビウス』のスコアチャレンジを行う企画が含まれており、人気を博しました。

1986年3月8日には、月刊誌『ファミコン必勝本』として本格的に創刊され、創刊直後から注目される記事を掲載しました。その中でも特に『スーパーマリオブラザーズ』のワールド9に関する記事は注目の的となり、発行後間もなく月2回刊へと移行しました。

1987年になると、同時期に『ドラゴンクエストII』が流行し、そのゲームをモチーフにしたプレゼントコーナーが登場しました。「ごいんきょクエスト」は、ゲーム内のモンスターを読者から募集し、パロディ版を提供するユニークな企画として人気を得ました。

他誌ではあまり取り上げられなかった『ウィザードリィ』シリーズも積極的に推し進め、専門の投稿ページが設けられるなど、読者の熱い支持を得ました。このように、他のゲーム雑誌とは異なった独自の路線を貫いた結果、多くのゲームファンに愛されました。

雑誌の変遷とリニューアル

時代が進み、1990年にスーパーファミコンが発売されることになりますが、『ファミコン必勝本』は創刊100号を迎え、月刊総合誌『HiPPON SUPER!』へとリニューアルしました。この新雑誌では、特に「4大RPG」（『ドラゴンクエスト』、『ファイナルファンタジー』、『ウィザードリィ』、『女神転生』）に焦点を当てて、ファンページや特集が組まれるようになりました。

1994年には誌名が『必本スーパー!』に改題され、新たな冒険に向かいました。その後、次世代ゲーム機の発売が襲った頃にはセガサターンへの支持が強まりました。しかし、翌年には専用雑誌『64（ロクヨン）』へのリニューアルが発表され、NINTENDO64に特化した形態に変わって行きます。

休刊の道

1995年には『64（ロクヨン）』に移行し、当初は期待されていましたが、NINTENDO64の売れる見込みが低く、誌面も迷走することとなりました。1997年には隔週刊『攻略の帝王』にリニューアルされましたが、1998年の初めに休刊に至りました。このように、長い間親しまれてきた『ファミコン必勝本』は、ゲーム雑誌界に多くの影響を与えながら、12年間の歴史に幕を閉じました。

その後と記憶

2011年にはトークイベント「ヒッポン・エイジス」が開催され、当時の編集者やライターが集まり、懐かしいエピソードが語られました。これにより、『ファミコン必勝本』の存在感や影響を振り返る機会となりました。多くのゲームファンから現在でも愛され続けている雑誌であったことを示しており、ゲーム文化に多大な貢献を果たした証と言えるでしょう。

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