ファラリョン・デ・パハロス島

ファラリョン・デ・パハロス島は、北マリアナ諸島の最北端に位置する、円錐形の無人火山島です。チャモロ語では「Farallon de Pajaros」、スペイン語では「Farallón de Pájaros」と表記され、いずれも「鳥の岩」を意味します。また、「パハロス島」や「ウラカス島」という別名でも知られています。

地理と位置

島の位置は、北緯20度33分、東経144度54分です。サイパン島から北へ約600km、南硫黄島の南東約540km、母島の南南東約730kmの地点にあります。これは、沖ノ鳥島よりもわずかに北に位置することを示しています。

地質と火山活動

ファラリョン・デ・パハロス島は活火山であり、約500万年前から火山活動が始まりました。20世紀中盤まで活発な活動が見られ、1967年と1989年には噴火が記録されています。島の中央部には標高319mの山頂があり、島全体は溶岩と火山灰で覆われています。

環境と生態系

島の面積は約2平方kmと小さいですが、その地理的特性から限られた植生が見られます。特に注目すべきは、海鳥の生息地であり、多くの鳥がこの島で繁殖しています。そのため、この島は北部諸島野生生物保護地域に指定されており、手つかずの自然が保護されています。

歴史と文化

カロリン諸島の原住民の間では、この島の噴火を航海の際の灯台として利用したという伝承が残っています。遠い昔から、この島は人々の生活と密接に関わっていたことがうかがえます。

交通手段

ファラリョン・デ・パハロス島への定期便はありません。島への訪問は、サイパン島から船またはヘリコプターをチャーターすることで可能です。そのアクセス難易度の高さが、この島の自然をより一層守っているとも言えるでしょう。

まとめ

ファラリョン・デ・パハロス島は、その火山活動と独特な生態系が共存する、神秘的な無人島です。訪れるのは容易ではありませんが、その手つかずの自然は、訪れる人に深い感動を与えるでしょう。

参考文献

* Farallon de Pajaros - Global Volcanism Program

もう一度検索