ファン・アルベルト・ロサス

ファン・アルベルト・ロサス

ファン・アルベルト・ロサス（Juan Alberto Rosas）は、1984年11月28日にメキシコのナヤリット州テピクで生まれたプロボクサーです。主にフライ級、そしてスーパーフライ級で活躍し、IBF世界スーパーフライ級王座を獲得したことで知られています。

キャリア初期から国内王座獲得まで

ロサスのプロボクシングキャリアは2001年3月23日にスタートしました。デビュー戦では初回KO勝利という鮮烈な白星を飾り、幸先の良いスタートを切ります。その後も無敗でキャリアを積み重ね、2005年10月1日にはヴァレリオ・サンチェスが保持するメキシコ国内のフライ級王座に挑戦。3-0の明確な判定勝ちを収め、自身初のタイトルを獲得しました。さらに同年11月26日には、エベラルド・モラレスを相手にこの王座の初防衛に成功すると同時に、NABF北米フライ級王座も獲得し、2冠達成を果たしました。

最初の挫折と階級転向

順調に見えたロサスのキャリアでしたが、2006年12月16日、WBCラテンアメリカおよびWBAフェデセントロのフライ級王座に挑戦した際に、ホセ・ロペスに0-2の判定で敗れ、プロキャリア初の黒星を喫しました。この敗戦の後、さらに3連敗を経験するなど不調に陥り、フライ級でのこれ以上の飛躍が難しくなったことから、スーパーフライ級への転向を決断しました。

スーパーフライ級での再起と世界戦線へ

階級を上げたロサスは、2007年9月14日に再びヴァレリオ・サンチェスと対戦。因縁の相手からメキシコ国内のスーパーフライ級王座を獲得し、この階級での再起に成功しました。2008年7月26日にはWBCアメリカ大陸スーパーフライ級王座決定戦に臨みますが、ロドリゴ・ゲレロに1-2の僅差判定で敗れ、王座獲得はなりませんでした。同年11月にはフェルナンド・モンティエルとの対戦でも判定負けを喫し、再び試練を迎えます。しかし、2009年3月7日、レイナルド・カジーナとのWBCアメリカ大陸スーパーフライ級王座決定戦で8回TKO勝利を収め、この王座を獲得。世界戦線への足がかりを掴みました。

世界王座獲得とその陥落

2009年11月13日、IBF世界スーパーフライ級挑戦者決定戦でフェデリコ・カトゥバイと対戦し、12回判定勝ちを収め、世界王座への挑戦権を獲得しました。そして、2010年7月31日、地元テピクで行われたIBF世界スーパーフライ級王者シンピウェ・ノンクアイとのタイトルマッチに挑みます。この試合でロサスは6回にダウンを奪い、そのままレフェリーストップによるTKO勝利。念願の世界王座獲得を果たしました。

しかし、世界王座の保持は長くは続かず、初防衛戦の相手となった元世界王者クリスチャン・ミハレスの経験豊富なボクシングに苦戦。2010年12月11日、0-3の判定で敗れ、わずか5か月で王座から陥落しました。この試合でミハレスはスーパーフライ級3冠王者という歴史的な記録を達成しています。

王座陥落後の挑戦

世界王座を失った後も、ロサスは再起を図ります。2011年11月26日には、IBF世界スーパーフライ級王座挑戦権をかけたゾラニ・テテとの試合に登場。テテの猛攻に苦しむ場面もありましたが、最終ラウンドでのテテの減点も影響し、2-0の僅差判定で勝利。かつて敗れたロドリゴ・ゲレロ（サンチェス・ジュニアから王座を奪取）への挑戦権を獲得しました。2012年5月19日、ファン・カルロス・サンチェス・ジュニアの持つIBF世界スーパーフライ級王座に指名挑戦者として挑みますが、初回にダウンを喫するなど苦戦し、0-3の判定負けで王座返り咲きはなりませんでした。その後も、2015年2月14日にはWBA世界スーパーフライ級暫定王者デビッド・サンチェスに挑むもTKO負けするなど、再び世界の頂点に立つことは叶いませんでした。2016年4月にはバンタム級での世界挑戦が予定されていましたが、スパーリング中の負傷により出場を断念しています。

メキシコ国内、北米、そして世界タイトルを獲得したロサスのキャリアは、波乱に満ちたものであり、多くの戦いを通じてボクシングファンに記憶されています。

獲得タイトル

メキシコフライ級王座
NABF北米フライ級王座
メキシコスーパーフライ級王座
WBCアメリカ大陸スーパーフライ級王座
* IBF世界スーパーフライ級王座

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