フアード1世 (エジプト王)

ファード1世の生涯と業績

ファード1世（アラビア語: فؤاد الأول‎、1868年3月26日 - 1936年4月28日）は、エジプトのムハンマド・アリー朝の第9代君主であり、1917年から1936年にかけてエジプトを統治しました。彼はまずスルターン（1917年 - 1922年）として権力を掌握し、その後、1922年からはエジプトの初代国王として君臨しました。ファード1世は、エジプトの独立に伴う重要な変革を遂げた政治家でもありました。

幼少期と教育

ファード1世は、エジプト総督イスマーイール・パシャの六番目の子供として、カイロ近郊のギザで生まれました。彼の父親はその後亡命し、ファードはヨーロッパで育てられました。特にジュネーヴやトリノなどの陸軍士官学校で軍事教育を受け、エジプトに帰国した後は参謀将校としてのキャリアをスタートしました。また、彼はエジプト国民大学を設立し、教育の発展に寄与しました。

君主としての統治

1917年、ファード1世は49歳で君主に即位し、専制政治を志向しました。しかし、その姿勢は議会との対立を招きました。1922年にはエジプトが独立を果たし、初代エジプト王として即位しました。彼の治世では1930年に新憲法が公布されましたが、これは世論の反発を受け、翌年には旧憲法が復活することになりました。このように、彼の統治は一貫して議会との緊張を抱えていました。

人物像

ファード1世は、ヨーロッパでの教育を受けたため、アラビア語よりもイタリア語が得意でした。即位前には最初の妻、シワイカール・ハーヌム・エフェンディーと離婚し、そのことに激怒した義兄の銃撃を受けて負傷するという事件もありました。彼は極端な潔癖症で、毎朝5時に起きて長い時間をかけ身支度をすることが知られています。また、彼は暗殺の恐怖に苛まれ、常にその脅威を感じていたため、極端に警戒心を持つ性格でした。

結論

ファード1世は、エジプトの独立の象徴であり、多くの変革をもたらした君主でした。しかし、彼の治世は政治的な葛藤に満ちたものであり、彼の性格や育ちもまた、その統治スタイルに影響を与えました。1936年、彼は崩御し、エジプトの歴史に名を刻むこととなりました。

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