フィアット・フィオリーノ

フィアット・フィオリーノは、イタリアの自動車メーカーであるフィアット社が製造する小型商用車です。

初代（1977年-1988年、1989年-1995年）

初代フィオリーノは、フィアット・127シリーズ2をベースに、高さ1.3メートルの箱型荷室を設けた「ハイキューブ」デザインを採用しました。このデザインは、その後の多くのヨーロッパの自動車メーカーに影響を与えました。1977年11月初めに発売され、1980年にはフェイスリフトが施されました。エンジンはフィアット・127と同じものが使用されました。初代フィオリーノは、ブラジルのミナスジェライス州とアルゼンチンのコルドバにある工場で生産されました。また、ピックアップトラック版はブラジルで「フィアット・147 シティ」として販売されました。

スペイン製モデル

スペインでは、セアト社とフィアット社の合弁事業によりフィオリーノが生産され、「Emelba 127 Poker」という名称で販売されました。パネルバンとピックアップトラックのモデルが提供されました。1986年まで生産された127 Pokerは、後に「セアト・フィオリーノ」と改称され、セアト・127と同じエンジンを搭載したセアト・テラに後継を譲りました。スペイン製のフィオリーノは、バルセロナの工場で生産されました。

エンジン

初代フィオリーノには、フィアット・127と同じエンジンが搭載されました。

2代目（1988年-2014年）

1984年には、ブラジル製のフィアット・ウノをベースとした、より近代的なモデルが発売されました。2代目フィオリーノは、パノラマとピックアップトラックのボディタイプでも提供されました。1988年から2000年まで、ヨーロッパ市場向けにイタリアのボローニャで生産され、25万台以上が販売されました。特にパネルバンモデルはヨーロッパで大きな成功を収めました。

1992年には、フィアット・ティーポのデザインを取り入れたフェイスリフトが行われ、新設計のプラットフォーム、新しい内装、そしてより環境性能の高いエンジンが導入されました。ヨーロッパ市場での最後のフェイスリフトは1997年に実施されました。また、1994年には、フィアット・ミッレ（ヨーロッパで旧型となったウノの廉価モデル）のプラットフォームを使用した新型が南アフリカ共和国で登場しました。ブラジルのミナスジェライス州の工場で生産されたこのモデルは、現在でもブラジル、パラグアイ、アルゼンチン、チリで販売されています。2代目フィオリーノは、当初アルゼンチンでも生産されていました。南アフリカでは、100万台以上のフィオリーノが販売されました。2004年には、フィアット・ドブロ風の顔周りを備えた新たなフェイスリフトモデルが登場し、2009年には、新しい赤色のフィアットロゴがフロントに取り付けられた新モデルが導入されました。

フィオリーノは、フィアット社が中国での生産を承認した最初の車種でもあります。1996年からパリオとシエナが登場する2001年まで生産されました。

エンジン

2代目フィオリーノには、フィアットの1.7L 8V自然吸気版とターボチャージャー付版、1.4L 8V FIRE ガソリンエンジン、そして南アフリカでは1.0Lと1.5L 8Vエンジンが搭載されました。ブラジルでは、ガソリンとエタノールの両方で走行可能なフレキシブル・フューエル技術対応の1,242ccエンジン2種が搭載されました。

搭載されたエンジンの種類は以下の通りです。

1.0L ガソリン
1.2L FIRE
1.4L ガソリン
1.5L ガソリン（spi版とmpi版）
1.7L ディーゼルとターボディーゼル

3代目

3代目フィオリーノは、ヨーロッパでは2007年から、ブラジルでは2013年から販売されています。

車名の由来

フィオリーノという名称は、「フローリン金貨」として知られるイタリアの古い貨幣に由来しています。

脚注

Fiat Professional UK

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