フィジカル・グラフィティ

レッド・ツェッペリン『フィジカル・グラフィティ』

『フィジカル・グラフィティ』は、1975年2月24日に発表されたレッド・ツェッペリンの6作目のアルバムです。プロデューサーはジミー・ペイジ、レコーディング・エンジニアはキース・ハーウッドが担当しました。

制作の背景

1973年のアメリカツアー後、新作の録音を開始するも、ジョン・ポール・ジョーンズの一時的な脱退希望により作業は中断。しかし、ピーター・グラントの説得によりジョーンズは翻意し、翌1974年にレコーディングは再開されました。

1974年はツェッペリンにとって初のコンサート活動のない年となりましたが、この年、アトランティック・[[レコード]]との契約満了に伴い、プライベート・レーベル「スワン・ソング」を設立。マギー・ベルやバッド・カンパニーらが参加しました。

録音

録音作業はヘッドリィ・グランジとロンドンのオリンピック・スタジオで行われました。LP1枚半分ほどの新曲に加え、過去のアルバムからの未発表曲を加えて2枚組として発表することになりました。ミキシングはキース・ハーウッドが担当。当初1974年9月に発売予定でしたが、ミキシングの遅れとアートワークの作成に時間がかかり、1975年2月にリリースされました。

アルバムタイトルの『フィジカル・グラフィティ』は、ペイジが考案。グラフィティ（落書き）というアートワークのコンセプトと、アルバム制作に注ぎ込まれた肉体的なエネルギーを表現しています。

アートワーク

ジャケットは、ニューヨークのセントマークス69番地に実在するアパートをモチーフにしています。くり抜かれた窓から見える内袋の絵柄が変化する仕掛けが施されています。また、内袋にはメンバーのプライベート写真や有名人の写真などがコラージュされています。このデザインは、ホセ・フェリシアーノのアルバム『Compactments』から影響を受けました。

評価と影響

アルバムはビルボード・チャートで初登場3位を獲得後、首位を6週間維持。過去のアルバムもチャートに復活し、6枚のアルバムを同時にチャートインさせるという快挙を達成しました。ローリング・ストーン誌は、「『トミー』、『ベガーズ・バンケット』、『サージェント・ペパーズ』を一つにしたような傑作」と絶賛。収録曲の多さもさることながら、バンドの音楽性の幅広さを示す作品となりました。

リイシュー

1987年に初CD化。1993年には全曲リマスター化。2015年にはリリース40周年を記念して最新リマスター版がリリースされました。デラックス・エディションには、ラフ・ミックス・バージョンや初期バージョンを収録したコンパニオンディスクが付属しています。

収録曲

A面

1. カスタード・パイ
2. 流浪の民
3. 死にかけて

B面

1. 聖なる館
2. トランプルド・アンダーフット
3. カシミール

C面

1. イン・ザ・ライト
2. ブロン・イ・アー
3. ダウン・バイ・ザ・シーサイド
4. テン・イヤーズ・ゴーン

D面

1. 夜間飛行
2. ワントン・ソング
3. ブギー・ウィズ・ステュー
4. 黒い田舎の女
5. シック・アゲイン

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