フィッシャー (企業)とは？意味をやさしく解説

フィッシャー (Fischer Sports GmbH)

フィッシャーは、オーストリアを拠点とする著名なスポーツ用品メーカーであり、特にノルディックスキー、アルペンスキー、そしてアイスホッケー用品の分野で高い評価を得ています。ワールドカップなどの国際的な舞台で数多くのトップアスリートに用具を提供しており、プロ・アマ問わず幅広い層のスキーヤーから支持を集めています。

かつてはテニスラケットの製造も行っていましたが、現在はドイツのストリングメーカーであるパシフィック社に事業譲渡されています。

歴史

創業期

1924年、ヨーゼフ・フィッシャー・シニアによって、オーストリアのザルツブルク北東部に位置するリート・イム・インクライス郡で創業されました。当初は荷馬車の製造と並行してスキーの製造も行っていました。1938年には、従業員30名を抱え、アメリカだけでも2,000台の手製スキーを販売するまでに成長しました。第二次世界大戦後、ヨーゼフ・フィッシャー・ジュニアが会社再建に尽力しました。

新時代への脱皮

1949年、手作業による製造から脱却し、生産効率を向上させるために最初のスキープレス機を開発しました。1958年には、137人の職人を雇用し、年間53,000台のスキーを製造する規模に拡大。この年、現在の象徴的な3つの三角形を組み合わせたロゴが採用されました。1964年には、最新のコンピュータ化された製材所を備えた新工場が完成。同年のインスブルックオリンピックでは、エゴン・ツィマーマンがフィッシャーの金属スキーを使用し、男子滑降で金メダルを獲得するという快挙を達成しました。1967年には、従業員数は775人に増加し、33万台のスキーを製造しました。長年にわたり、アルペンスキー、クロスカントリースキー、スピードスキーなど、競技用スキーの研究開発に力を注いできました。

成長期

1970年代初頭には、フィッシャーは世界最大のスキー製造メーカーへと成長しました。ガラス繊維技術を導入した「Europa 77」は、スキー業界に革命をもたらし、スカンジナビア市場での地位を確立する基盤となりました。1976年のインスブルックオリンピックでは、フランツ・クラマーがフィッシャーのC4スキーを使用し、男子滑降で金メダルを獲得しました。1988年には、ウクライナのムカチェヴォに工場を新設しました。

家族の絆

2002年には株式を買い戻し、それ以来、100%家族経営の企業として運営されています。2013年には本社を建て替え、新たなスタートを切りました。

ロッテフェラとの提携

2007-08年シーズンから、ノルディックビンディングメーカーであるロッテフェラと提携しました。ロッテフェラのビンディングは、フィッシャーのスキーブーツの公式ビンディングとして採用されています。それ以前は、サロモン・ノルディック・システムを使用していました。ロッテフェラはNNN (New Nordic Norm) ビンディングの製造元であり、これらのビンディングシステムには互換性がありません。2007年初頭には、ブーツはロッテフェラのNNNビンディングに対応したものに切り替えられました。

フィッシャーのスキーを使用する選手

数多くの著名なスキーヤーがフィッシャーのスキーを使用し、輝かしい成績を収めています。

アルペンスキー

イヴィツァ・コステリッチ
エゴン・ツィマーマン
フランツ・クラマー
トム・シモンズ
レジーナ・ザクル
ハルティ・ヴァイラター
スティーブ・ポッドボースキー
イゾルデ・コストナー
マンフレッド・メルグ
マリオ・マット
ターニャ・プティアイネン
デニス・カーボン
カトリン・ヘルツル
クリスタプス・ズヴェイニェクス

ノルディックスキー

クロスカントリー

ペッター・ノートグ
ダリオ・コロニャ
アレクセイ・ポルトラニン
マリット・ビョルゲン
ベンテ・スカリ
マグダレナ・フォースバーグ
エレーナ・ヴェルベ
トーマス・ワシュベリ

スキージャンプ

グレゴア・シュリーレンツァウアー
アダム・マリシュ
アンドレアス・ゴルトベルガー
カリーナ・フォークト
ダニエラ・イラシュコ＝シュトルツ
葛西紀明
伊藤有希
小林陵侑（BWTへのOEM供給）

ノルディック複合

エリック・フレンツェル

バイアスロン

トラ・バーガー
* スヴェン・フィッシャー

出典

Official website

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