フィンガー5の大冒険

フィンガー5の大冒険

『フィンガー5の大冒険』は、1974年に東映系で公開されたアイドル短編映画です。この作品は、同年の「東映まんがまつり」にて上映され、カラーとシネマスコープで製作された28分の作品です。本作は、アイドル映画としては初めての試みであり、「フィンガー5と遊ぼう!」というタイトルで、出演者であるフィンガー5の名前が正式タイトルに含まれている唯一の作品です。

概要

作品の主人公であるフィンガー5は、ファンタジーとスポーツを融合させた取り組みが特徴です。彼らのヒット曲に合わせて展開されるストーリーは、子供たちにとって魅力的な冒険に満ちています。また、フィンガー5は、1974年3月の『ハロー!フィンガー5』という短編ドキュメンタリー映画にも出演しており、この年には二つの大きな子供向け作品に登場することとなりました。さらに、同年8月には松竹の『超能力だよ全員集合!!』にゲスト出演するなど、フィンガー5は多方面で活躍していました。制作は東映テレビ・プロダクションが担当し、テレビ特撮のようなダイナミックな展開が特徴です。

ストーリー

物語は、主人公の晃と妙子が紅白の花を見つける場面から始まります。その花から美少女が出てくると、彼女は花の精であることを告げます。一方、彼らの前に現れるのは「全ガキ連」という不良の5兄弟です。彼らはフィンガー5に対して「自分たちと比べられるのが不満だ」と言い放ち、対決を求めます。雰囲気が険悪になる中、花の精の取りなしでバスケットボールの試合によって決着をつけることが決定しますが、フィンガー5は多忙で練習もままなりません。花の精が女学生に変身し、彼らにコーチをすることで、何とか試合に臨むことができるようになりました。

試合当日、フィンガー5は「全ガキ連」の攻撃に押し込まれ、窮地に立たされます。その時、花の精が祈りを捧げたことでフィンガー5に超能力が生まれ、彼らは反撃を開始します。最後には見事な逆転勝利を収めたフィンガー5は、全ガキ連との間に和解が生まれ、共にアメリカンフットボールチームを結成することになるという心温まるエンディングが待っています。

出演者

映画には、フィンガー5のメンバーに加え、さまざまなキャラクターが出演しています。審判役には岸昭彦、花の精役にはジニー・シムスが務め、特別出演として仮面ライダーV3が登場します。全ガキ連の長男から長女まで、個性的なキャラクターたちが試合を盛り上げる重要な役割を果たしています。

スタッフ

監督は石森章太郎が務め、脚本は飯島敬が担当しました。音楽には井岸義測が名前を連ね、撮影は篠原征夫が行いました。そしてこの作品は、フィンガー5の人気を背景に、多くの関係者の創意工夫によって作られました。

映像や配信

本作は、2011年に初めてDVD化され、その後も東映チャンネルでの放送やYouTubeでの配信など、今もなおその魅力を伝えています。特に2023年には「1970年代ムーブメント特集」としてYouTubeで無料配信され、多くの人に親しまれる作品となっています。

このように、『フィンガー5の大冒険』は、ファンタジーとスポーツの要素を巧みに取り入れた作品であり、当時の子供たちに夢と感動を与えた名作であることは間違いありません。

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