フィンランド王国

フィンランド王国

フィンランド王国（Suomen kuningaskunta、Konungariket Finland）は、第一次世界大戦中のロシア革命の影響で、1917年12月6日に設立され、1918年12月14日までの短い期間存在した立憲君主制の国家です。この国の首都はヘルシンキです。

歴史の背景

1917年に発生したロシアの2月革命により、ロシア帝国が崩壊しました。この変革を受けて、フィンランド議会は同年12月6日に、フィンランドの独立を宣言し、ニコライ2世からフィンランド大公の位を取り下げました。独立を果たしたフィンランドでは、内戦後にスウェーデン系フィンランド人が多く参加するスウェーデン人民党などの王制支持派が台頭しました。

彼らは、ドイツ帝国の支援を後ろ盾にし、1918年10月9日に新たな国王としてフリードリヒ・カール・フォン・ヘッセン＝カッセルの選出を決定しました。彼はドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の義弟であり、中央同盟国側の代表とされていました。新たに任命された首相はペール・スヴィンヒューでした。

権力の変遷と王国の崩壊

しかし、フィンランド王国の設立からわずか1ヶ月後の1918年11月、ドイツ帝国は敗北の色が濃厚となり、ドイツ革命が勃発しました。これによりヴィルヘルム2世が退位し、中央同盟国が降伏しました。フィンランドの王党派（主にスウェーデン人民党）は、もはや君主制を維持することが不可能だと判断し、フリードリヒ・カールは12月14日に即位を辞退しました。

その後、カール・グスタフ・エミール・マンネルヘイムが摂政に就任しましたが、1919年にはフィンランド議会選挙が行われ、共和派が圧倒的な勝利を収めました。この結果を受けて、フィンランドは共和制を採用し、新たな憲法が制定されました。

1919年7月、カールロ・ユホ・ストールベリが初代フィンランド大統領に就任し、フィンランド共和国が成立しました。こうして、短期間だけ存在したフィンランド王国は歴史の中に消えていったのです。

国王の称号と歴史的背景

フィンランド王の称号は、「フィンランド王およびカレリア王、オーランド公、ラップランド大公、カレワラとポホヨラの主たるカールレ1世」でありました（フィンランド語: Kaarle I, Suomen ja Karjalan kuningas, Ahvenanmaan herttua, Lapinmaan suuriruhtinas, Kalevan ja Pohjolan isäntä、スウェーデン語: Karl I, Kung av Finland och Karelen, hertig av Åland, storhertig av Lappland, herre över Kaleva och Pohjola）。

また、1741年から1743年までのロシア・スウェーデン戦争の際には、ホルシュタイン＝ゴットルプ公ペーターがフィンランド王を名乗ったこともあり（この時期のことはフィンランド王国 (1742年)に記述されています）、王国の概念は歴史の中で何度か浮上しました。これらの歴史的な経緯を経て、フィンランドは最終的に共和制を確立することとなりました。

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