フェアリー スピアフィッシュ

スピアフィッシュ（Fairey Spearfish）

スピアフィッシュは、第二次世界大戦末期にイギリスのフェアリー社によって設計され、イギリス海軍のために開発された艦上雷撃機です。この機体の名称は、フウライカジキに由来しており、イギリス海軍が運用した単発機の中で最も大きなエンジンを備えています。

概要

イギリス海軍本部は、バラクーダという艦上攻撃機の後継機としてスピアフィッシュの設計を依頼しました。新たな仕様書O.5/43に基づき、フェアリーはこの機体を開発しました。スピアフィッシュは全幅が18メートル、全備重量が10トンの大型機であり、腹部には大型の爆弾倉を設けていました。この機体は、当初建設が計画されていたジブラルタル級大型空母に特化した運用を想定して設計されました。

スピアフィッシュは、その設計において、バラクーダが抱えていた縦軸の安定性の問題を克服するために、ASV対潜レーダーを内蔵しました。また、当時のエンジンに風を入れることで、出力不足な問題を解決しようとしましたが、エンジンに不具合が発生し、開発は遅延しました。初飛行は1945年7月5日となり、戦争の終結により大規模な空母の建造計画も中止され、スピアフィッシュの生産は停止されました。結果として、最終的には研究用として4機のみが製造され、1952年まで様々な実験で使用されました。

開発経緯

スピアフィッシュの開発は1943年に始まりました。この機体は、艦上雷撃機としての機能だけでなく、急降下爆撃機としての役割も担えることを目的にしていました。以前のレビュー機と比べて、特に腹部に大型の爆弾倉が設計され、数量豊富な兵器を搭載できるように配慮されています。この部分には、魚雷や複数の爆弾が収納できる構造がありました。また、急降下爆撃用の装置も装備し、固定武装として翼部に12.7mmの機銃や背部に引き込み式銃塔を備えていました。

スピアフィッシュは、最大出力2600hpのブリストル・セントーラスエンジンを搭載し、このエンジンとロートル5翅プロペラの組み合わせにより運航していました。このようにして設計された機体は大きく、全幅18メートル、全備重量10トンですが、これは当初の計画による大型空母に搭載するためには、むしろ妥当なサイズでした。そして、最初の8機の試作機が製造された後、さらなる152機の量産が計画されました。

しかし、エンジンの開発に時間がかかったため、試作機の初飛行は1945年7月まで遅れました。終戦の影響でジブラルタル級空母の建造計画は中止され、量産の契約もキャンセルとなる結果でした。それでも、設計作業は続き、最終的には1947年までに4機の試作機が完成し、様々な実験で活用されました。そのうちの1機は1952年まで飛行が行われていました。

仕様

• - 全長: 13.54 m
• - 全幅: 18.36 m
• - 全高: 4.11 m
• - 機体重量: 6,895 kg
• - 全備重量: 10,017 kg
• - エンジン: ブリストル・セントーラス57 空冷18気筒レシプロエンジン×1基 (出力2,320 hp)
• - 最大速度: 470 km/h
• - 上昇限度: 7,620 m
• - 航続距離: 1,670 km
• - 武装: 魚雷または910 kgの爆弾、またはRP-3ロケット弾16発
• - 機銃: 12.7mm×4（主翼内2門、リモート操作式銃塔2門）
• - 乗員: 2名

このように、スピアフィッシュは多機能な雷撃機として君臨する可能性を秘めていましたが、歴史の流れに翻弄された開発過程があったことも忘れてはなりません。

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