フェデリーコ3世 (シチリア王)

フェデリーコ3世（Federico III）

フェデリーコ3世は1341年に生まれ、シチリア王として1355年から1377年にわたり治世を敷きました。彼はシチリア王ピエトロ2世の息子であり、その在位中に数多くの困難に直面しました。特に、ナポリ王国からの侵攻は彼の王政に深刻な影響を及ぼしました。

即位と治世の困難

フェデリーコは、兄ルドヴィーコが若くして亡くなったため、わずか13歳で王位を継承しました。若き王として、彼はまだ未熟であったため、周囲の権力者たちに翻弄されながら、王国の運営に苦労しました。特に1373年には、ナポリの女王ジョヴァンナ1世とローマ教皇グレゴリウス11世との間で屈辱的な和睦を結ぶことになります。この和睦により、実質的に王国の独立性が失われてしまったのです。

結婚と家族

フェデリーコは1361年、アラゴン王ペドロ4世の娘であるコンスタンサと結婚しました。この間に一人娘、マリア王女が生まれましたが、フェデリーコは1372年にアントーニア・デル・バルツォと再婚します。しかし、この結婚でも子供は生まれず、再婚から数年後にアントーニアと死別しました。

死後の王位継承

フェデリーコ3世には男子がいなかったため、彼が死去する1377年には王位が一人娘であるマリア王女に継承されました。しかし、その後のシチリア王国では王位を巡る内紛が発生し、最終的にアラゴン王国への再併合が進むことになります。この混乱は、フェデリーコの妹エレオノーラの子息マルティン1世によって引き起こされました。

フェデリーコ3世とフェデリーコ4世

フェデリーコ3世は、シチリア王フェデリーコ1世（本記事の祖父）と区別するために、文献によっては「フェデリーコ4世」として表記されることもあります。この命名は、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世（イタリア名で表記するとフェデリーコ2世）に由来しています。

まとめ

フェデリーコ3世の治世は、若くして即位した彼が直面した数々の困難と、外交的な屈辱、さらには王位の継承問題によって彩られています。彼の生涯は、シチリア王国の歴史において重要な転換点となり、その影響は後の時代にまで及ぶこととなります。

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