フェロビアル

フェロビアル：世界を舞台に活躍する総合建設会社

フェロビアル（Ferrovial S.E.）は、スペイン・マドリードに本社を置く、世界的に知られる総合建設会社です。1952年の設立以来、インフラ整備、空港運営、建設、そしてサービス事業など、多岐にわたる分野でグローバルに事業を展開し、スペイン株式市場IBEX 35にも名を連ねる主要企業となっています。

設立からグローバル企業への発展

フェロビアルは、1952年、ラファエル・デル・ピノによって鉄道建設会社として設立されました。当初はスペイン国鉄（RENFE）向けの鉄道建設工事を中心に行っていましたが、1960年代には道路や港湾、ビル建設へと事業を拡大。1970年代のオイルショック後には海外進出を積極的に進め、リビア、メキシコ、ブラジル、パラグアイなど、スペイン国外への事業展開を加速させました。

その後、後継者であるラファエル・デル・ピノ・カルボ・ソテロ氏が会社を受け継ぎ、さらなる成長を遂げました。カナダ・トロントの高速道路407 ETRの運営権取得や、スペインの建設会社アグロマン（Agroman）の買収など、戦略的な事業展開を通じて、グローバル企業としての地位を確立しました。1999年にはマドリード証券取引所に上場を果たし、その規模をさらに拡大しました。2003年にはイギリスのインフラ管理会社Amey plcを買収し、事業領域をさらに多角化しました。

多様な事業内容

フェロビアルの事業は大きく4つに分類できます。

1. 高速道路事業

フェロビアルは、高速道路や有料道路の開発、資金調達、運営を世界各国で行っています。カナダの407 ETRをはじめ、スペイン、ポルトガル、イギリス、アイルランド、アメリカ、オーストラリアなど、世界各地で多数の高速道路プロジェクトに関与しています。子会社であるシントラ（Cintra）が、この事業の中核を担っています。

2. 空港事業

空港運営にも積極的に関与し、メキシコ・カンクン国際空港やロンドン・ヒースロー空港など、世界的に重要な空港の運営やコンソーシアムへの出資を通して、事業を展開しています。子会社であるフェロビアル・アエロプエルトス（Ferrovial Aeropuertos）が、空港事業の中核を担っています。

3. 建設事業

フェロビアルの建設事業は、1927年設立のアグロマンにまでその歴史を遡ることができます。長年にわたる経験と実績を活かし、スペイン、メキシコ、イギリス、アメリカなどを含む50か国以上で、高速道路、トンネル、橋梁、空港などの大規模プロジェクトを手掛けています。子会社であるフェロビアル・コンストルクシオン（Ferrovial Construcción）は、アメリカやポーランドなど主要市場において、現地法人を通じて事業を展開しています。

4. サービス事業

輸送、環境、産業、天然資源、公益事業など、多様なインフラの保守・運用、施設管理サービスを提供しています。イギリスのAmey plc買収などを通じて事業規模を拡大し、イギリス、スペイン、アメリカ、チリなどを中心にグローバルなサービスを提供しています。子会社であるフェロビアル・セルビシオス（Ferrovial Servicios）が、この事業の中核を担っています。

主要プロジェクト

フェロビアルは世界中で数多くのプロジェクトを手掛けており、その規模と影響力は計り知れません。具体的には、カナダの407 ETR高速道路、アメリカのLBJ TEXpress、オーストラリアのパシフィックハイウェイ、アイルランドのM3およびM4-M6高速道路、スペインのAutopista AP-7、ポルトガルのA22高速道路、イギリス・ロンドンのファリンドン駅改築工事、そしてアメリカのデンバー国際空港ターミナル改築工事など、多くの重要なインフラ整備に貢献しています。

まとめ

フェロビアルは、半世紀以上にわたる歴史と世界規模の事業展開により、グローバルなインフラ整備に大きく貢献しています。今後も、その豊富な経験と専門性を活かし、持続可能な社会の発展に貢献していくことでしょう。

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