フォンドメタル

フォンドメタル（Fondmetal SpA）

フォンドメタルはイタリアの自動車部品メーカーで、ロンバルディア州のパロスコに本社を置いています。主にアルミホイールの製造・販売を行っており、特にフィアットなどの欧州メーカーを顧客に持つOEM販売を手掛けています。また、同社は1991年から1992年にかけてF1に参戦した経験もあります。

会社の歴史

フォンドメタルの歴史は1970年にまで遡ります。創業者はガブリエーレ・ルミで、彼はベルガモ州のパロスコにこの会社を設立しました。ルミ家はもともと鋳造業を営んでおり、ルミ自身も三代目のオーナーとして1908年に設立された鋳物製鉄工場の経営に携わっていました。

フォンドメタル設立初期は、自動車部品の専業ではなく、水道管やインテークマニホールド、クラッチベルハウジング、オイルサンプなどを製造していました。しかし、1960年代から1970年代にかけての顧客のニーズを受け、多くの部品を自動車産業向けに切り替えていくことになります。特に、70年代の石油危機は企業経営に影響を与え、同社はホイール製造に注力する方向へ舵を切りました。1980年代にはマセラティ・ビトゥルボのシリンダーヘッドやエンジンブロックの製造も開始しました。

F1への進出

1984年、フォンドメタルはオゼッラやウィリアムズ、ティレル、リジェといったF1チームにホイールを供給し、F1の舞台に進出しました。1988年にはオゼッラのスポンサーとしても活動を始めました。

1990年、ガブリエーレ・ルミが資本参加をし、チーム名を「フォンドメタル・オゼッラ」に変更。1990年末にはオゼッラのF1部門の全事業を買収し、新たにパロスコに工場を開設。フォンドメタル F1 SpAとしてF1に参戦を開始しました。

1991年にはオリビエ・グルイヤールを有名ドライバーとして起用しましたが、チームは予備予選での厳しい戦いが続き、決勝に進出できたのは6戦のみでした。初年度はフォメットと協力しで開発したマシンを用いましたが、結果が伴わずに関係が悪化し、結局はフォメットとの連携を解消することになりました。

1992年には、ポール・ベルモンドの代わりにアンドレア・キエーザを起用し、チームの再建を図ります。この年はスポーティングレギュレーションの変更により全チームが2台エントリーすることが義務付けられましたが、資金難に見舞われた結果、チームは運営を続けられなくなり、イタリアGPを最後にF1から撤退することを決めました。

フォンドテックの設立とその後の活動

1993年、ルミはゴヴォーニ社から風洞を買収し、フォンドメタル・テクノロジーズ（Fondmetal Technologies）を設立しました。これによりF1との関係を維持しつつ、技術開発の面でF1各チームに対してサポートを行うことが可能になりました。

その後、フォンドテックは1994年から1996年にかけてティレルとの技術提携、1996年から1998年まではベネトンとの提携を結びました。

特にフォンドテックの技術開発部門は、ジャン＝クロード・ミジョーを起用し、さまざまなF1チームにおいて空力開発を支援しました。ミナルディF1チームの株式を取得するなど、新しい道を模索していくことになりますが、2001年以降にチーム運営の負担が大きくなり、最終的には別のオーナーに移行することとなりました。

まとめ

フォンドメタルは、アルミホイールの製造を中心とした自動車部品メーカーで、F1への参戦経験を持つ企業です。歴史の中で数々の変革を経ながら、技術開発に力を注いできた背景は、自動車産業における重要な存在感を放っています。今後もその活動には注目が集まることでしょう。

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