フォートマーシー

フォートマーシー：芝の王者、そして年度代表馬

1964年生まれのフォートマーシーは、アメリカを代表するサラブレッド競走馬として、芝路線で輝かしい功績を残しました。アメリカ競馬においてダート競走が主流の中、芝にこだわり、並み居る強豪たちとの激戦を制し、1970年にはアメリカ年度代表馬の栄冠に輝いた、稀有な存在です。1998年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たし、その偉業は今なお語り継がれています。

華麗なるデビューと芝路線への転換

名門ロークビーステーブルで生まれたフォートマーシーは、エリオット・バーチ調教師の指導の下、2歳（1966年）にデビュー。当初はダート競走に挑んでいましたが、目立った活躍はありませんでした。しかし、3歳になると芝路線へと転向。その才能が開花し始めます。

6月には芝競走で初勝利を挙げ、ロングブランチステークスで芝のステークス競走初優勝。ナシュアハンデキャップ、タイダルハンデキャップ、バーナードバラックハンデキャップと主要競走を連勝し、勢いは止まりませんでした。そして、当時最大級の芝競走であったワシントンDCインターナショナルでは、強豪ダマスカスをハナ差で破り、優勝。この活躍により、1967年度の最優秀芝牡馬に選出されました。

強豪ひしめく古馬時代

4歳（1968年）になると、ドクターフェイガーやチャーアレクサンダーといった強豪と対戦。13戦3勝と勝ち星は少なかったものの、サンセットハンデキャップではクイッケンツリーやフィドルアイルといった古豪を破るなど、その実力は折り紙付きでした。この年の年度代表馬選考では、DRFとTRAの2団体がそれぞれ選考を行っており、DRFではドクターフェイガー、TRAではフォートマーシーが最優秀芝牡馬に選出されるという結果となりました。

5歳（1969年）にはハリウッドパークインビテーショナルターフハンデキャップなどで優勝。南アフリカからの移籍馬ハワイとの対戦も話題を呼びました。両馬は激しく競り合い、フォートマーシーはタイダルハンデキャップ、ケリーオリンピックハンデキャップで勝利を収めたものの、ユナイテッドネイションズ招待ハンデキャップ、マンノウォーステークスではハワイに敗れる場面もありました。

全盛期と年度代表馬への道

フォートマーシーの全盛期は6歳（1970年）でした。クイッケンツリー、フィドルアイル、ドラムトップといった強豪を相手に、アメリカ東西の芝競走を転戦。センチュリーハンデキャップとディキシーハンデキャップではレコードタイムで優勝するなど、圧倒的な強さを見せつけました。ユナイテッドネイションズ招待ハンデキャップ、マンノウォーステークス、そしてワシントンDCインターナショナルと3連勝を達成。これらの活躍が評価され、見事、アメリカ年度代表馬に選出されました。芝路線の馬が年度代表馬になるのは、大変珍しい快挙でした。

引退と殿堂入り

7歳（1971年）シーズンを最後に引退。1991年に亡くなりましたが、その功績は長く記憶に残りました。1998年には、アメリカ競馬殿堂入りを果たし、アメリカ競馬史にその名を刻みました。

フォートマーシーの主な戦績

フォートマーシーの輝かしい戦績は、彼の能力の高さを証明しています。数々の主要競走を制し、その名を後世に残しました。彼の活躍は、多くの競馬ファンに感動を与え続け、アメリカ競馬の歴史に大きな足跡を残しました。彼の血統やその後の影響についても、より深い理解を深めることで、フォートマーシーという偉大な競走馬の物語をより鮮やかに描くことができます。 また、彼の名前を冠したステークスの創設や、ブラッド・ホース誌による20世紀のアメリカ名馬100選への選出などからも、その高い評価を伺い知ることができます。

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