フォード・Fシリーズ

フォード Fシリーズ

フォードFシリーズは、1948年からフォード・モーターによって製造・販売されているフルサイズピックアップトラックです。その歴史は長く、アメリカを代表する自動車の一つとして知られています。

モデル構成

当初は、F-1からF-8までの8種類のモデルが存在しましたが、サイズが大きくなるにつれて数字も大きくなりました。1998年以降、F-250以上のモデルは「スーパーデューティー」として独立し、Fシリーズは主にF-150を指すようになりました。メキシコでは「フォード・ロボ」という名称で販売されています。

販売実績

2010年5月には、累計製造台数が3,390万台を突破しました。年間販売台数も世界トップクラスであり、アメリカでは全自動車部門で28年連続、トラック部門では31年連続で販売台数1位を記録しています。

日本での扱い

一部モデルはタイヤが大きいため、日本では準中型自動車に分類されます。そのため、2017年3月11日以降に普通免許を取得した場合、運転することはできません。

歴史

初代 (1948年～1952年)

- F-1、F-2、F-3、F-4、F-5、F-6、F-7、F-8の8タイプが存在しました。

2代目 (1953年～1956年)

- モデル名がF-100、F-110、F-250、F-260、F-350、F-360、F-500、F-900に変更されました。このモデルには多くのファンが存在します。

3代目 (1957年～1960年)

- F-100、F-250、F-350、F-500の4種類となりました。フレアーサイドに加え、スタイルサイドが追加されました。

4代目 (1961年～1966年)

- 4ドアのアクセスキャブ仕様が登場しました。

5代目 (1967年～1972年)

- F-110などの名称が復活し、モデルの種類が増加しました。

6代目 (1973年～1979年)

- 1975年モデルで、現在の主力モデルであるF-150が登場しました。1976年以降、Fシリーズは全米で最も売れているトラックとなり、現在までその地位を保持しています。

7代目 (1980年～1986年)

- 直線的なスタイルとなり、このスタイルは8代目、9代目にも受け継がれました。ディーゼルエンジン搭載車が登場しました。グレードはF-100、F-150、F-250、F-350、F-600、F-700、F-800。1982年に「レンジャー」というグレード名が廃止され、小型トラックの車名として使用されるようになりました。

8代目 (1987年～1991年)

- トラックで初めて後輪ABSが標準装備されました。7代目の基本シャーシ、ドアパネルを踏襲したマイナーチェンジモデルです。

9代目 (1992年～1997年)

- フロントグリルが丸みを帯びました。フレアーサイド仕様が復活しました。直列6気筒エンジン搭載車はこのモデルが最後となりました。オーストラリア仕様のF-250をベースに改造された救急車が、日本にも少数輸入されました。

10代目 (1997年～2003年)

- 基本シャーシやボディパネルが大幅に刷新され、丸みを帯びたボディが特徴です。1999年モデルでF-250、F-350がスーパーデューティーとして独立しました。2001年モデルでフレアーサイド仕様に初のクルーキャブ仕様が登場しました。ハーレーダビッドソンやキングランチ牧場とタイアップしたモデルも登場しました。一方で衝突安全性が低いことも指摘されました。SVTライトニングというハイパフォーマンスモデルも登場し、日本にも正規輸入されました。

11代目 (2004年～2008年)

- 直線的で頑丈なボディとなり、車体剛性も向上しました。フロントグリルはグレードごとに異なり、バリエーションが豊富です。クルーキャブにもスタイルサイド仕様が導入され、人気を集めました。2004年の北米カー・オブ・ザ・イヤートラック部門など、多くの賞を受賞しました。

12代目 (2009年～2014年)

- 2008年 1月に発表され、2009年モデルとして発売されました。基本シャーシやドアパネルは11代目を踏襲しており、ビッグマイナーチェンジと言えます。V型6気筒エンジン車とマニュアルトランスミッション車が廃止され、ディーゼル車が導入されました。SVTラプターやハーレーダビッドソン仕様も追加されました。

13代目 (2014年～2020年)

- 2015年モデルとして2014年に発売されました。ボディ外板が一新され、フレームはスチール製、ボディとベッドにはアルミが採用されました。

14代目 (2020年～)

- 2021年モデルとして2020年6月にフルモデルチェンジされました。先代のデザインを踏襲しつつ、空力性能が向上しました。様々なパワートレインがラインナップされています。

EVモデル (2022年～)

- 2021年5月19日、電気自動車バージョンであるF-150ライトニングが発表されました。予約が殺到し、2022年4月から発売されました。翌年には、高度な運転支援機能を搭載したF-150ライトニング・フラッシュも発表されました。