フォード・S-MAX

フォードS-MAX：スポーティさと広さを両立したクロスオーバー車の歴史

フォードS-MAXは、フォード社が製造・販売していた5ドアのクロスオーバー車です。セダンのようなスポーティな走りやすさと、ミニバン並みの広々とした室内空間を両立させた点が大きな特徴でした。

初代S-MAX (2006年 - 2015年)

初代S-MAXは、2006年2月にジュネーヴモーターショーで発表され、同年6月から販売が開始されました。斬新なデザインと優れた走行性能、そして広い室内空間が評価され、2007年には権威ある「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するという快挙を達成しました。

そのデザインは、フォードの欧州デザインチームが推進した「キネティックデザイン」というトレンドを反映したものでした。力強い曲線と抑揚のあるボディラインが特徴的です。また、シートを床下に完全に収納できる「Fold Flat System」は、使い勝手の良さを際立たせる革新的な装備でした。

グレード体系は地域によって異なり、英国では「Edge」「Zetec」「Titanium」の3種類、欧州大陸では「Trend」「Titanium」「Titanium S」の3種類が設定されていました。特に、最上級グレードの「Titanium」は、英国において販売台数の6割を占めるほどの人気を誇っていました。

搭載エンジンは、フォード独自の「Duratorq」ディーゼルエンジンやガソリンエンジンを用意。1.8リッターターボディーゼルから2.5リッターガソリンまで、様々なバリエーションがありました。トランスミッションは5速または6速のマニュアルトランスミッション、もしくは6速のオートマチックトランスミッションが選択可能でした。

安全性能についても高く評価されており、ユーロNCAPの衝突安全テストで最高ランクの5スターを獲得しています。

2代目S-MAX (2015年 - 2023年)

2014年10月、パリモーターショーで発表された2代目S-MAXは、スペインのバレンシア工場で生産されました。初代モデルから受け継いだスポーティな走りと広い室内空間はそのままに、デザインや装備がブラッシュアップされています。

しかし、2022年10月26日、フォード社は2023年4月をもってS-MAXの生産を終了することを発表しました。時代の流れや市場の動向、そして環境規制への対応などが、生産終了の背景にあると考えられます。

まとめ

フォードS-MAXは、スポーティな走り、広い室内空間、そして先進的な機能を備えた魅力的なクロスオーバー車でした。初代モデルの成功は、フォード社のヨーロッパ市場における地位を確固たるものとしたと言えるでしょう。生産終了は残念ですが、その存在は多くの人々の記憶に刻まれていることでしょう。

関連項目

フォード・モンデオ
フォード・ギャラクシー
* フォード・C-MAX

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