フォーブス・フィールド

フォーブス・フィールド：古き良き時代の象徴

フォーブス・フィールドは、20世紀初頭にアメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグに建設された、野球とアメリカンフットボールの歴史を彩るスタジアムでした。MLBのピッツバーグ・パイレーツ、ニグロリーグのホームステッド・グレイズ、そしてNFLのピッツバーグ・スティーラーズが、それぞれ本拠地として使用し、多くのファンに愛されました。

誕生の背景

1900年代初頭、パイレーツの人気は高まる一方でしたが、当時の本拠地エクスポジション・パークの収容人数は約16,000人と限られていました。より多くのファンが観戦できるよう、球団は収容能力を大幅に拡大した新球場の建設を決定します。1909年、ピッツバーグ郊外に建設地を確保し、同年3月1日に工事が開始。わずか4ヶ月後の6月30日には、新球場フォーブス・フィールドが開場しました。

当時、木造のスタジアムが主流でしたが、フォーブス・フィールドは鉄骨とコンクリートを使用した、当時としては画期的なスタジアムでした。これは、フィラデルフィアのシャイブ・パークに次ぐ、国内で2番目の事例でした。スタジアムの名前は、フレンチ・インディアン戦争で活躍した軍人、ジョン・フォーブスに由来します。

拡張と多目的利用

開場当初、内野には3層のスタンドが設けられました。ホーナス・ワグナーをはじめとする人気選手を擁したパイレーツは、常に高い人気を誇っていました。そのため、1925年には右翼に2層のスタンドを増設し、収容能力をさらに拡大しました。1933年からは、スティーラーズが本拠地として使用するようになり、アメリカンフットボールとの兼用スタジアムとなりました。

1939年からは、ニグロリーグのグレイズもフォーブス・フィールドを本拠地の一つとして使用しました。グレイズの主催ゲームの多くはワシントンのグリフィス・スタジアムで行われましたが、フォーブス・フィールドでもジョシュ・ギブソンなどのスター選手が活躍し、多くのファンを魅了しました。

老朽化と閉場

1958年11月、ピッツバーグ大学がフォーブス・フィールドを200万ドルでパイレーツから買収しました。1960年代に入ると、フォーブス・フィールドの老朽化が深刻化し、多目的円形スタジアムが主流となり始めました。そのため、パイレーツは新たな球場を建設し、移転することを決定します。1970年6月28日、フォーブス・フィールドは最後の試合を終え、その歴史に幕を閉じました。パイレーツは翌月から、新球場のスリー・リバース・スタジアムに本拠地を移転しました。

取り壊しと現在

1971年7月、フォーブス・フィールドは一部を残して取り壊されました。現在、外野フェンスの一部がピッツバーグ大学のキャンパス内に保存されています。また、ホームベースはピッツバーグ大学の廊下に埋め込まれ、その姿をとどめています。

主要な出来事

1909年6月30日：カブス戦で開場（カブス 3 - 2 パイレーツ）
1920年10月2日：パイレーツ - レッズのトリプルヘッダー（1日に3試合開催、大リーグ史上最後）
1944年7月11日：オールスターゲーム開催（ナ 7 - 1 ア）
1959年7月7日：オールスターゲーム（第1戦）開催（ナ 5 - 4 ア）
ワールドシリーズ開催：1909年、1925年、1927年、1960年
1970年6月28日：カブスとのダブルヘッダーをもって閉場（第1戦：パイレーツ 3 - 2 カブス、第2戦：パイレーツ 4 - 1 カブス）

フォーブス・フィールドは、ピッツバーグのスポーツ史における重要なランドマークとして、今もなおその記憶を人々の心に残しています。

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