フォー・ユア・プレジャー

『フォー・ユア・プレジャー』は、1973年にリリースされたロキシー・ミュージックのセカンド・アルバムであり、音楽史における重要な作品の一つです。デビュー・アルバムに続き、クリス・トーマスをプロデューサーに迎え、ロンドンのAIRスタジオで録音されました。

オリジナル・ベーシストのグラハム・シンプソンが脱退後、本作ではジョン・ポーターがベースを担当。彼はブライアン・フェリーとシンプソンが大学生時代に結成したバンド、ザ・ガス・ボードのメンバーでした。

アルバムジャケットには、サルバドール・ダリの愛人であり、当時フェリーの恋人でもあったアマンダ・レアが起用され、話題を呼びました。発売はアメリカ以外ではアイランド・レコード、日本では当時アイランド・レコードを販売していたキングレコードからです。

本作は、ブライアン・イーノが在籍していたロキシー・ミュージックの最後のアルバムとなりました。イーノは、1973年6月21日にバンドを離れることになります。

収録曲は以下の通りですべてブライアン・フェリーによって作詞作曲されました。

1. ドゥ・ザ・ストランド
2. ビューティー・クイーン
3. ストリクトリー・コンフィデンシャル
4. エディションズ・オブ・ユー
5. イン・エヴリ・ドリーム・ホーム・ア・ハートエイク
6. ザ・ボーガス・マン
7. グレイ・ラグーン
8. フォー・ユア・プレジャー

LPレコードA面最後の曲である「イン・エヴリ・ドリーム・ホーム・ア・ハートエイク」は、後にジェーン・バーキンが2004年のアルバム『ランデ・ヴー』でブライアン・フェリーとのデュエットとしてカバーしています。

また、2012年公開の米国映画「Sushi Girl」のテーマ曲としても使用されました。

パーソネル

ブライアン・フェリー - ボーカル、ピアノ、ホフナー・ピアネット、メロトロン、ハーモニカ、リズムギター (「イン・エヴリ・ドリーム・ホーム・ア・ハートエイク」)
イーノ - VC3シンセサイザー、バック・ボーカル
アンディ・マッケイ - オーボエ、サクソフォーン、ファルフィッサ電子オルガン
フィル・マンザネラ - ギター
ポール・トンプソン - ドラム
ジョン・ポーター - ベース

『フォー・ユア・プレジャー』は、「ローリング・ストーン」誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500において、351位にランクインするなど、高い評価を受けています。実験的なサウンドや、フェリーの独特なボーカルスタイル、そしてイーノのシンセサイザーが融合した、ロキシー・ミュージックの個性が際立つ作品です。

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