フジパシフィックミュージック

フジパシフィックミュージックの沿革と業界における位置づけ

概要

株式会社フジパシフィックミュージック（以下、フジパシ）は、1966年に設立された音楽出版社です。フジサンケイグループに属し、音楽著作権の管理や楽曲の原盤制作など、幅広く音楽業界での活動を行っています。通称としては「フジパ」や「FPM」などがあり、音楽界で広く知られています。

設立当初のフジパシは、演歌や歌謡曲の作詞・作曲家がレコード会社と専属契約を結ぶことが多かったため、比較的自由に活動できたフォーク音楽に注目しました。このため、フォークやロック、ニューミュージックに関する楽曲の権利を多く管理することができました。特に、ザ・フォーク・クルセダーズの『帰って来たヨッパライ』の原盤権を獲得したことにより、その名が広がりました。

会社の成長と変革の歴史

1985年には、フジ音楽出版との合併により商号をフジパシフィック音楽出版に変更しました。これにより、フジテレビ系列の音楽番組から派生した楽曲の制作や、著作権の管理も行うことができるようになり、多様なジャンルの楽曲を扱う立場を築きました。

テレヴィジョンの番組主題歌を多く手がけており、特に1980年代以降は『オールナイトフジ』や『夕やけニャンニャン』など、多くの人気番組に関連する楽曲を提供しています。また、おニャン子クラブや48グループなどのファンクラブ運営も手がけています。

2004年には「FGMファンド」を設立し、音楽著作権を担保として収入を得る仕組みを作りました。さらに、シンコーミュージック・エンタテイメントとの業務提携により、洋楽の音楽出版事業に進出しました。フジテレビとのうまく連携しつつ、収益の増加を図る戦略に転じています。

国内外での活動

フジパシは、米国や韓国、香港などにも子会社を設立し、海外市場における音楽著作権の管理や音楽出版事業を展開しています。特に、インディーズ系最大の音楽出版社の一つとなり、海外アーティストの楽曲も多く取り扱うようになりました。

例えば、1988年にはアメリカにWindswept Pacific Musicを設立し、北米市場での影響力を強めました。イギリスではスパイス・ガールズの原盤権を保有していましたが、1999年に大部分をEMIに売却しました。その後も、多くの海外アーティストとの提携を進めています。

所属アーティスト

フジパシは、数多くの作詞家、作曲家、アーティストと契約を結んでいます。秋元康や小田和正、山下達郎といった著名なクリエイターが在籍し、また過去にはウルフルズや工藤静香、サザンオールスターズなど、多くの人気アーティストが所属していました。

テレビ番組制作

最近では、テレビ番組の制作にも力を入れています。上原徹元社長が映像制作室を新設し、様々な音楽関連の番組を手掛けています。これにより、音楽のライブ映像制作などを行い、テレビ業界とのつながりを強化しています。

最後に

フジパシは、音楽出版や著作権管理という重要な分野で広範な活動を展開しており、日本の音楽シーンに大きな影響を与えています。その歴史と成長、そして多岐にわたる活動は、今後も多くの業界関係者に注目され続けることでしょう。

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