上原徹

上原徹：音楽と映像を繋ぐ架け橋

上原徹（うえはら とおる）は、1947年12月10日生まれの日本のミュージシャンであり、テレビプロデューサーです。現在は、フジパシフィックミュージックの代表取締役社長、フジクリエイティブコーポレーション（FCC）の取締役CPOを務めています。また、日本音楽著作権協会（JASRAC）と日本音楽出版社協会（MPAJ）の理事も兼任し、音楽業界の発展に大きく貢献しています。東京都出身。

学生時代から音楽活動へ

上原氏は、成蹊小学校から成蹊大学までを成蹊学園で過ごしました。大学在学中に、自身がリーダー兼ボーカル・ギターを担当するバンド「フォー・セインツ」を結成し、1968年に「小さな日記」で東芝レコードからデビューを果たしました。当時、彼らが契約していた音楽出版社が、現在のフジパシフィックミュージックの前身であるパシフィック音楽出版でした。その後、大学卒業後にフォー・セインツの元メンバーと「フォー・クローバーズ」を結成し、再デビューもしています。

テレビ業界での活躍

1975年、上原氏はフジテレビの制作子会社であるワイドプロにADとして入社しました。その後、制作子会社がフジテレビ本体に吸収合併されたことを機にフジテレビに入社し、フジ音楽出版（1985年にPMPと合併）も兼務するようになりました。ディレクターとしては、「夜のヒットスタジオ」、「スター千一夜」、「君こそスターだ！」、「ザ・スター」など、数々の人気音楽番組を手がけました。特に「夜のヒットスタジオDELUXE」では、海外アーティストの担当として、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、ボン・ジョヴィといった多くのスーパースターの演奏を日本に生中継しました。1989年からはロンドンに勤務し、Fuji International Productions (UK) Ltdの代表取締役社長に就任。「BEAT UK」や「THE BEAT」といった番組を制作しただけでなく、ITVやチャンネル4などの英国の放送局でもレギュラー音楽番組を制作しました。また、マライア・キャリー、エリック・クラプトン、CHAGE and ASKA、さだまさし、髙橋真梨子、フジロックフェスティバルなど、数多くのライブ映像の企画制作にも携わりました。

帰国後の活動

2003年に帰国した上原氏は、2005年にフジパシフィック音楽出版（2015年にフジパシフィックミュージックに社名変更）の社長に就任しました。社長就任後は、映像制作室（現在の映像制作本部）を新設し、自ら演出やディレクションを担当することもあります。2010年には、日本初の音楽ライブ3D生中継番組である「倖田來未ライブ3D生中継 『Dream music park in YOKOHAMA STADIUM』」の演出も担当しました。音楽活動も継続しており、2007年にはフォー・セインツを再結成、2008年には新曲「この街で」をリリースしています。現在は、グループでの活動と並行して、ソロアーティストとしてもコンサートを中心に活動しています。

ポール・マッカートニーとの親交

上原氏は、ポール・マッカートニーとの親交が深く、ポールの4度にわたる来日公演のうち、コンサート映像収録の許可が得られた3度（1990年、1993年、2013年）すべてにおいて収録を担当しました。特に、2013年のアウトゼア・ジャパン・ツアー2013TOKYO DOME公演では、4Kフォーマットでの収録を実現し、その放送が待たれています。

過去の作品のリメイク

2012年には、自身が手がけた「ザ・スター」の美空ひばり出演回を再編集し、音源リストアを行った映像作品「ザ・スター 美空ひばり 〜大人の音楽祭〜」の監督を務めました。この作品は劇場で公開され、大きな話題となりました。

主な制作担当番組

夜のヒットスタジオ（STディレクター / 海外中継担当ディレクター）
ミュージックフェア（演出）
ザ・スター（ディレクター）
新春スターかくし芸大会（コーナー演出ディレクター）
FNS歌謡祭（ディレクター）
ビッグベストテン（フロアディレクター）
ヒットスタジオInternational（演出・PD）

出演番組

くり万太郎のオールナイトニッポンR（2009年6月 - ） - 「この街でこの唄を」コーナー担当。
フォー・セインツのミュージック・パーティー（2015年7月6日 - ）
NHK歌謡コンサート（2015年11月17日）「一曲入魂！最新ヒット」※フォー・セインツwith松坂慶子として「たまには仲間で」を披露。

上原徹氏は、音楽家、テレビプロデューサーとしての才能を発揮し、日本の音楽業界に多大な貢献をしてきました。彼の情熱は、今後も多くの人々に感動と喜びを与え続けるでしょう。

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