フブスグル県

フブスグル県は、モンゴル国の最北端に位置する県であり、その名は県内にあるフブスグル湖に由来します。ロシアのトゥヴァ共和国とブリヤート共和国に国境を接し、モンゴル国内では東にボルガン県、南にアルハンガイ県、西にザブハン県と隣接しています。県庁所在地はムルンです。

地理と自然

フブスグル県は、総面積が約1万平方kmと広大であり、豊かな森林資源を有しています。特に森林面積はモンゴル国内で最も多く、一人当たりの森林面積は5千平方kmにも及びます。この豊かな自然環境と美しい景観から、外国からの観光客には「モンゴルのスイス」と呼ばれることもあります。県内には、23の郡（ソム）が存在し、それぞれ異なる特徴を持つ地域が広がっています。

主要な郡（ソム）

以下にフブスグル県に属する主な郡を列挙します。

アラグ-エルデネ郡(Алаг-Эрдэнэ)
アルボラク郡(Арбулаг)
バヤンズルフ郡(Баянзүрх)
ブレントグトフ郡(Бүрэнтогтох)
ガルト郡(Галт)
ジャルガラント郡(Жаргалант)
イフ-オール郡(Их-Уул)
ムルン(Мөрөн) (県庁所在地)
ラシャーント郡(Рашаант)
レンチンルフンベ郡(Рэнчинлхүмбэ)
タリアラン郡(Тариалан)
トソンツェンゲル郡(Тосонцэнгэл)
トモルボラク郡(Төмөрбулаг)
トゥネル郡(Түнэл)
オラーン-オール郡(Улаан-Уул)
ハンフ郡(Ханх)
ハトガル郡(Хатгал)
ツァガーンノール郡(Цагааннуур)
ツァガーン-オール郡(Цагаан-Уул)
ツァガーン-ウール郡(Цагаан-Үүр)
ツェツェルレグ郡(Цэцэрлэг)
チャンドマニ-ウンドゥル郡(Чандмань-Өндөр)
シネ-イデル郡(Шинэ-Идэр)
エルデネボラグ郡(Эрдэнэбулган)

保護区と遺跡

フブスグル県には、ウラン・タイガ自然特別保護区があります。この保護区は、貴重な動植物が生息しており、生態系の保全のために重要な役割を果たしています。また、オーシギン・ウブリーン遺跡（オラーン・オーシグ遺跡）は、鹿石などが立つヘレクスルであり、考古学的な関心を集めています。この遺跡は、ロシアや金沢大学によって発掘調査が行われています。

その他の情報

国際協力機構（JICA）は、フブスグル県で保健関係のプロジェクトを実施しており、地域住民の健康増進に貢献しています。また、県内にはトゥバ人（ツァータン）と呼ばれる遊牧民が暮らしており、独特の文化を維持しています。

関連事項

フブスグル県に関連する事項として、トゥヴァ自治ソビエト社会主義共和国、トゥヴァ共和国といった歴史的な地域や行政区分が挙げられます。これらの地域は、フブスグル県と文化、歴史的なつながりを持っています。


フブスグル県は、豊かな自然、歴史的な遺跡、遊牧民の文化が調和する魅力的な地域であり、モンゴルを訪れる際にはぜひ訪れたい場所の一つです。

もう一度検索