フューリアス (空母)

HMS Furious (HMS Furious, 47)

HMS Furiousはイギリス海軍が建造した世界初の本格的航空母艦で、もともとはバルト海での上陸作戦のためにカレイジャス級巡洋戦艦として設計されました。しかし、第一次世界大戦の中で航空戦略の重要性が増す中、何度かの改装を経て全通式飛行甲板を持つ航空母艦へと生まれ変わりました。艦名の“Furious”は「激烈な」や「猛烈な」を意味します。

概要と設計

フューリアスはイギリス海軍の第一海軍卿であるジョン・アーバスノット・フィッシャーによって提唱された「ハッシュ・ハッシュ・クルーザー」の一環として設計されました。本艦の設計はサー・ユースタス・テニスン・ダインコートが担当しました。当初は15インチ砲を4門搭載する計画でしたが、最終的に40口径457mm（18インチ）砲2門と改められました。建造途中でバルト海作戦の必要が薄れた結果、航空機の運用に適した改装が進められました。

各改装の経緯

初期の改装

就役後、フューリアスは艦上機の発艦はできたものの、着艦はほぼ不可能であることが判明しました。これにより、後部主砲塔を撤去し、着艦甲板を設ける改装が行われました。艦橋と煙突はそのまま残ったため、運用には多くの問題がありました。

第二次改装

1922年から1925年にかけて行われた第2次改装では、フューリアスは本格的な航空母艦へと生まれ変わりました。飛行甲板が全通式に改修され、艦の性能が向上した結果、イギリス海軍における軍縮条約に従い、今後の航空機運用能力を大幅に向上させることに成功しました。この改装により、フューリアスは他の空母との競争で優位に立つことができました。

戦歴

フューリアスは第一次世界大戦中に数回の実戦で運用され、戦後も活躍を続けました。特に1917年のソッピース・キャメルを用いた攻撃は、世界初の実戦参加を果たしました。第二次世界大戦においては、様々な戦役で活躍し、特に地中海および大西洋戦線でその重要性が増しました。

1944年にはドイツ戦艦ティルピッツへの攻撃作戦にも参加し、航空母艦としての役割を確立しました。

最終的な解体

第二次大戦の終結後、フューリアスはその役目を終え、1948年に売却され解体されることになりました。こうしてフューリアスの歴史は幕を閉じましたが、彼女の存在は航空母艦の発展に向けた重要な第一歩であることは間違いありません。

まとめ

HMS Furiousはイギリス海軍の艦艇の中でも特異な存在であり、当時の航空機運用の先駆けとなった艦であると同時に、航空母艦の地位を確立するための重要なモデルともなりました。その掲げた旗のような艦名は、実際の運用においても強烈な影響力を持っていました。

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