フライアー (潜水艦)

フライアー (USS Flier, SS-250) の概要

フライアーは、アメリカ海軍の潜水艦の一つであり、ガトー級に所属しています。艦名は、サンフィッシュ科の魚の一種「フライアー」に由来しています。ここでは、彼女の艦歴や活動について詳しく見ていきましょう。

艦歴

フライアーは、1943年にコネチカット州グロトンのエレクトリック・ボート社で起工され、同年7月11日に進水しました。その後、1943年10月18日にジョン・D・クローリー少佐の指揮の下で就役し、ニューロンドンを出航して真珠湾に向かいました。最初の哨戒を準備するため、フライアーは12月20日に真珠湾に到着しました。

1944年の1月12日、フライアーは初の哨戒任務に向けて出航しましたが、1月16日にミッドウェー島近くで座礁してしまいました。潜水艦救難艦「マカウー」が救助に向かいましたが、悪天候の影響で救助艦も座礁してしまい、フライアーは6日間も動けない状態でした。最終的に、クレーン船と潜水艦救難艦「フローリカン」によって救出され、メア・アイランド海軍造船所で修理を受けることになりました。

修理を終えたフライアーは、1944年5月に真珠湾に戻り、改めて第1の哨戒任務を開始します。

第1の哨戒 (1944年5月 - 7月)

5月21日、フライアーはルソン島西部へ向けて出航しました。6月4日、サイパンから横須賀に向かっていた輸送船団を発見し、攻撃を行いました。特に特設運送船「白山丸」に2本の魚雷を命中させ、沈没に追い込むことに成功しました。

その後も哨戒活動を続け、6月13日には11隻の輸送船とタンカーから成るミ05船団を発見。魚雷攻撃を行ったものの、護衛艦からの対潜攻撃により厳しい状況に陥りました。72時間の間に4回の攻撃を行った結果、陸軍輸送船「白耳義丸」も大破させることができました。この一連の活動の後、フライアーは7月5日に44日間の任務を終え、フリーマントルに帰投しました。

第2の哨戒 (1944年8月・喪失)

8月2日、フライアーは2回目の哨戒に出発します。この任務の途中、バラバク海峡で触雷して沈没する運命を辿ります。艦長のクローリーを含む乗組員は衝撃で海に投げ出され、生き残りをかけた厳しいサバイバルが始まりました。

数名の生存者は漂流しながら、近くの島への移動を試みます。彼らは月明かりが昇るまでの間、数名が命を落としながらも、ついにはマンタングラ島に到達しました。17日にはバイアン島にたどり着くことができましたが、衝撃の後遺症や厳しい環境下で、多くの困難に直面しました。生存者たちは最終的に現地のゲリラと接触し、救助活動が行われることになります。

8月30日、フライアーの生存者は「レッドフィン」にによって救助され、命を取り留めることができました。この出来事を経て、艦長クローリーは功績を評価され、またその他の乗員も勲章を授与されます。

戦後の評価と船体発見

フライアーは、第二次世界大戦での戦功により1個の従軍星章を受章しました。沈没地点は長い間忘れ去られていましたが、2009年2月に調査が行われ、潜水艦の残骸が確認されました。これによりフライアーの多くの歴史的な出来事が再評価されることとなりました。現在でも、彼女の艦歴は海軍の重要な歴史の一部として語り継がれています。

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