フライングドッグ

株式会社フライングドッグ

株式会社フライングドッグ（FlyingDog, Inc.）は、日本に拠点を置くアニメーション映像と音楽を制作する企業であり、ビクターエンタテインメント株式会社の子会社です。フライングドッグのブランドは、ロゴに「flying DOG」と表記されています。

歴史

ビクターエンタテインメント時代

フライングドッグの始まりは1976年に遡ります。当時、ビクター音楽産業で高垣健が設立し、編集長の平田国二郎を責任者として迎えました。レーベルは主に邦楽ロックを対象に、白地に卵黄の写真を背景に旭日旗のデザインで「FLYING DOG」と表記されていました。その後、1980年代半ばにはリリースが途絶えることになります。

高垣氏は後にInvitationを設立し、さらに1992年に一部を分割してSPEEDSTAR RECORDSを設立しました。このフライングドッグから派生した企業も存在します。旧フライングドッグ時代の作品が再発売される際は、他のレーベル名に変更されることが多いですが、外部への貸与時にはかつてのレーベル名が使用されることがあります。

m-serveの展開

2000年頃、ビクターエンタテインメントが手掛けていた公式ウェブサイトやフリーペーパーとして「m-serve（エムサ）」がスタートしました。この時期、アニメ関連の事業も展開され、インターネットテレビ番組も同名で放送されましたが、2011年にはその放送も終了しました。

フライングドッグ設立以降

2007年、ビクターエンタテインメントのアニメ制作部門がJVCエンタテインメントに移管され、名を変えた「FlyingDog」が生まれました。この新しいレーベル名には、ビクターの象徴である「犬」の言葉を取り入れたことが特徴です。代表に就任した佐々木史朗氏は、旧レーベルの関係者たちからこの名称を承諾を得て決定しました。

2009年1月には、JVCエンタテインメントが株式会社フライングドッグとして再構築され、アニメ関連事業を専門とする企業へと変わりました。2019年には10周年を迎え、記念LIVE「犬フェス」を開催し、同時にMIXアルバム『DOG RUN！！』もリリースされました。

特色と活動

フライングドッグの社長は、自社を「町工場」のように、手作りの音楽制作を行う場所と位置づけています。アニメソングを通じて世界とつながることが理想であり、この理念に基づいた活動を行っています。ロゴマークは水色の円内に犬のシルエットが描かれており、キャッチフレーズには「WE CAN fly, WE ARE “flying DOG”s!」が採用されています。

テレビCMでは、声優や歌手が犬の鳴き声を真似るスタイルが取り入れられ、2012年には「わんわんキャンペーン」が開催されました。アニメ関連の楽曲を担当する歌手が、時には他のレーベルからリリースされることもあります。

アーティストとオーディション

フライングドッグは、次世代のアニソン歌手を発掘するためにオーディションを実施しています。過去のオーディショングランプリを受賞したアーティストたちは、華々しいデビューを果たしています。特に、2022年には15周年記念のアーティスト発掘オーディションが行われ、多くの新たな才能が登場しています。

現在のアーティストには、AKINO from bless4、菅野よう子、坂本真綾など多彩な音楽家が名を連ねており、過去にはJAM Projectや中島愛なども在籍していました。

主要な作品

フライングドッグは、アニメの製作にも力を入れており、様々な作品に参加しています。特に「マクロスシリーズ」の音楽制作を1982年から続けており、アニメファンにとっては欠かせない存在となっています。また、パートナーシップのもとで多くのテレビアニメ、劇場アニメ、そしてOVAの音楽制作を手がけています。これらの豊かな実績は、フライングドッグが日本のアニメ業界において重要な役割を果たしていることを示しています。

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