フライング・キッパー

フライング・キッパーについての詳細

フライング・キッパー（The Flying Kipper）は、国民的人気を誇る絵本シリーズ『汽車のえほん』及びその映像化作品であるテレビシリーズ『きかんしゃトーマス』に登場する架空の貨物列車です。この列車は主に、ティドマス港からイギリス本島へ向けて鮮魚を運搬する夜行の貨物列車として知られており、主に機関車ヘンリーが牽引を担当しています。列車は通常、2軸の鮮魚車で編成されており、美味しい海の幸を確実に届ける重要な役割を担っています。

主なエピソードと事故経緯

原作では、フライング・キッパーはこれまでに3回登場しますが、その内の2回は事故に見舞われています。テレビシリーズの初期では人形劇の形式で3度登場し、各回において事故を起こしていますが、CGアニメーション化以降の第16シーズン以降は、事故なく運行するエピソードも数多く見られるようになっています。このように、フライング・キッパーは列車名の由来ともなったフライング・スコッツマンのパロディであることも特筆すべき点です。

最初の事故

フライング・キッパーの初めての事故は、原作第6巻の第2話および人形劇第1シリーズ第19話で描かれています。このエピソードでは、ヘンリーが牽引する6両編成のフライング・キッパーが、雪と氷によって分岐器が凍結し、信号機が点灯しなかったために他の貨物列車に追突する惨事が発生しました。幸いにも、乗員たちは衝突を避けるためにブレーキ車から退出していたため、負傷者は出ずに済みました。エドワードやジェームスといった他の機関車が事故後の復旧作業を手伝い、ヘンリーは工場での改造を余儀なくされました。

2度目の事故

2回目の事故は原作第27巻の第3話及び人形劇第4シリーズ第84話にて発生します。この時、ヘンリーが本務機として、後部補機に駅で回り道することなく10両を牽引していたのですが、急勾配を下ることができず、またダックを連結していなかったために引き離されてしまいました。ダックがテールランプを目安に走行していたところ、貨車のテールランプが外れ、視認できなくなったため、ダックはヘンリーの速度に追突してしまいました。この事故はトップハム・ハット卿の過失として処理され、機関車たちは責められることはありませんでした。

3度目の事故

3回目の事故は人形劇第5シーズンの第119話「みどりのくじら」で起こります。ヘンリーは信号所を通過する際に注意を怠り、トーマスからの警告を無視してしまった結果、完全に崩れた路盤に脱線してしまいました。この事故の原因は主任の不手際ですが、ヘンリー自身にも責任があったため、彼もトップハム・ハット卿から叱責を受ける羽目になりました。病床に運ばれた後、ヘンリーは多くの児童から「緑色の鯨」とささやかれることになったこともユーモラスです。

CGアニメーション化以降の登場

CGアニメーション化以降、フライング・キッパーは第16シーズン第381話「ウィフのねがい」に再登場しますが、ストーリーとの関連性は薄いものでした。しかし本格的には第17シーズン第395話「おさわがせなケイトリン」で、ケイトリンに牽引を提案されたヘンリーがフライング・キッパーを運転する場面が描かれます。この際は幸いにも事故はなく、主に夜の運行の様子が描写され、存分に存在感を発揮しました。

結論

フライング・キッパーは、数々の事故や騒動を経て、今なお魅力的なキャラクターたちと共に愛され続けています。絵本からテレビシリーズへと展開される中で様々な物語が描かれ、子供たちに夢を与えている存在となっています。そのため、今後の展開においても多くのファンにとって楽しみな存在であることは間違いありません。

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