フライング・ヘリテージ・コレクション

フライング・ヘリテージ・コレクションの概要

フライング・ヘリテージ・コレクション（Flying Heritage Collection :FHC）は、アメリカワシントン州エヴァレットのペインフィールド空港近くに位置する私設の航空機博物館です。この博物館は、資産家のポール・アレンが所有する多彩な航空機や軍用車両を中心に展示しており、主に第二次世界大戦で使われたアメリカ、イギリス、ロシア、ドイツ、日本の軍用機が収蔵されています。フライング・ヘリテージ・空中戦・兵器博物館（FHCAM）という正式名称も持つこの施設は、単なる展示にとどまらず、実際に飛行可能な状態に回復させた機体を定期的に飛ばすパフォーマンスも行っています。

所蔵する航空機や軍用車両

このコレクションには、零式艦上戦闘機の二二型や五二型、P-51BやD、Bf 109など歴史的に重要な機体が含まれています。特に一式戦闘機『隼』は、世界で唯一、機体とエンジンともにほぼオリジナルの状態で保管されており、飛行可能という希少性から多くの訪問者を惹きつけています。その他にも、M4シャーマン中戦車や九五式軽戦車といった装甲車両、さらには一式機動四十七粍速射砲、8.8 cm FlaK 37、ケッテンクラートなどの陸上兵器も収蔵されています。

さらに静態展示ではあるものの、V1飛行爆弾やV2ロケット、Me 163コメートといった特殊兵器もラインアップに加わっており、航空機だけでなく多角的に兵器の歴史を学ぶことができます。

現在の展示と施設の発展

フライング・ヘリテージ・コレクションは、第二次世界大戦以降の航空機も順次展示しており、MiG-29ファルクラムやF-105G、また有人小型宇宙船のスペースシップワン・ホワイトナイトなど、現代の技術の象徴的な機体も見ることができます。また、ノルマンディー上陸作戦に関連する星条旗やエニグマも所蔵されており、それらの歴史的意義を感じることもできます。

本博物館は、運営が財団によって行われていますが、ポール・アレンの個人コレクションであるため、訪れる人々は特別な体験ができるでしょう。

入場料金と地域貢献

入場料は大人18ドル、軍人は16ドルと手頃な価格で設定されており、多くの展示品に触れる機会が提供されています。このため、地元の学校などで教育的な活用がされている点も注目すべき特徴です。

2013年には、さらなる収蔵物の増加に対応するため、追加の格納庫も建設され、ますます充実した内容となっています。

フライング・ヘリテージ・コレクションは、訪れる人々に航空機や歴史的な軍用車両の魅力を提供し続けており、今後の発展にも目が離せません。

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