フラッシング・リア・エンド・デバイス

フラッシング・リア・エンド・デバイス（FRED）とは

フラッシング・リア・エンド・デバイス（Flashing rear-end device）、通称FREDは、北米の鉄道システムにおいて、貨物列車の最後尾に装備される先進的な装置です。この装置は、鉄道の安全性を高め、効率的な運行をサポートするために設計されています。またFREDは「エンド・オブ・トレイン・デバイス」の略称であり、その他にも略称ETDやEOTと呼ばれることもあります。

機能と役割

FREDは、かつて存在したカブース（車掌車）の役割を代替するために導入されました。この装置の主な機能は、貫通ブレーキのブレーキ圧を監視し、列車の連結が解放されていないかを確認することにあります。FREDが収集したデータは無線で先頭の機関車に送信され、機関車側にはヘッド・オブ・トレイン・デバイス（HOT）という受信装置が設置されています。

HOTは多様なインジケーターを装備しており、緊急時のブレーキ操作を可能にするトグルスイッチも内蔵されています。現在のHOTには制御用コンピュータが組み込まれており、機関車上のディスプレイにデータが表示されるため、運転士がリアルタイムで状況把握を行うことができます。

列車が途中駅で組成される際、法律によりブレーキテストが義務づけられており、運転士はFREDから送られるデータを基にブレーキが確実に機能しているかを確認します。このため、FREDからの空気圧データが非常に重要な役割を果たしています。

FREDの導入による効果

かつては運行する列車には最低二名の乗務員が必要であったため、コストがかかっていました。しかしFREDの導入により、カブースの購入や維持費、さらに制動手の人件費を大幅に削減できるようになりました。このため、多くの北米の鉄道ではカブースが廃止されましたが、特定の状況下では依然として利用されることがあります。

装置の進化

FREDは1973年にフロリダ・イースト・コース鉄道で初めて導入され、以降多くの鉄道で採用されるようになりました。初期のFREDはシンプルな構成であり、尾灯と蓄電池のみでしたが、1980年代には機能が拡張され、ブレーキ圧の無線送信機能が追加されました。これにより、より正確なブレーキテストが可能になりました。

さらに、近年のFREDは周囲の光を感知するセンサーを搭載しており、自動的に尾灯の点灯が行われるしくみが実現されています。また、ブレーキ管圧力をFRED側で操作する機能も追加され、全体的な制動性能が向上しました。この機能によって、非常時の制動距離を短縮することが可能です。

GPS機能を備えたFREDも登場しており、データの追跡や運行管理の更なる効率化が図られています。

鉄道ファンの利用

北米の鉄道愛好者は、FREDが発信する電波を傍受することで、列車の位置情報を把握する方法を用いています。FREDの送信周波数は452.9375/457.9375メガヘルツであり、到達距離はおおよそ2 - 5マイル（3.2～8.0キロメートル）です。このように、FREDは鉄道運行だけでなく、ファンの趣味にも寄与しているのです。

まとめ

FREDは単なる装置ではなく、鉄道運行の安全性や効率を大きく向上させるための革新的な技術です。その登場以降、北米の鉄道システムにおける役割はますます重要になっています。

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