フラットスピン

フラットスピン（Flat Spin）とは

フラットスピンとは、固定翼機におけるスピンの種類の一つで、特にNASAでは迎角が65度から90度の状態で発生するきりもみと定義されています。この現象は、機体の挙動や運用において重大な影響を与えるため、理解しておくことが重要です。

フラットスピンの発生条件

フラットスピンは、主に次の二つの状況で発生すると考えられています。

1. 重心位置が後方に偏っている場合
この場合、片方の翼が失速し、きりもみが始まります。この時、通常のきりもみに比べて機首が非常に高い状態に保たれるため、パイロットが回復しづらくなります。特に実験飛行でパラシュートを装備した機体による測定以外では、意図しない形で発生することが多く、これが事故の原因になることもしばしばです。

2. 曲技飛行の一環として意図的に行う場合
このケースでは、通常のスピン課目を開始した後にエンジンの出力を上げ、機首を高く保ちます。この方法は、一般的にグライダーでは実施できないため、特定の航空機に限られた技術です。
曲技の場合、適切な手順を踏めば回復は可能ですが、重心位置が後ろ寄りの場合には、そのままフラットスピンに陥る可能性があります。

フラットスピンの回復

軽量な機体では、搭乗者や積載物が前方に移動することで、通常のきりもみに移行し、フラットスピンから抜け出すことができる場合があります。しかし、重心が後方にある状態では、必ずしも回復できるわけではありません。このことは、パイロットにとって非常に危険な状況を引き起こすことがあります。

まとめ

フラットスピンは、航空機の安全運用において重要な知識です。理解不足から不適切な操作を行うと、容易に危険な状況に陥る可能性があります。航空機の設計や運用に関わる人々にとって、フラットスピンの特徴とその発生条件をしっかりと把握することが求められます。これにより、事故のリスクを低減し、安全な航空環境を維持することが可能になるでしょう。

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