フラット35

フラット35の概要

フラット35とは、長期固定金利の住宅ローン商品で、住宅金融支援機構と民間金融機関が連携して提供しています。この商品は、もともと住宅金融公庫が行っていた一般住宅融資から発展したもので、住宅購入者に対して安定した金利での資金調達を可能にしています。

住宅金融公庫の沿革

住宅金融公庫は、財政投融資制度のもとで住宅購入者への融資を行っていましたが、制度の見直しにより一般住宅融資および公庫そのものが廃止される見込みとなりました。そのため、住宅金融公庫が証券化を通じて調達した長期資金を民間金融機関に供給する形で、フラット35が誕生したのです。2004年12月に名称が「フラット35」に変更され、以降多くの住宅購入者に利用されてきました。

提供形態

フラット35には、主に「買取型」と「保証型」の2つの形態があります。「買取型」は、金融機関が融資したフラット35の債権を住宅金融支援機構が買い取り、証券化することで資金調達を行います。一方、「保証型」は、住宅融資保険を利用して融資し、債権の受益権を金融機関が転売する仕組みです。特に買取型は広く利用されており、融資金の最大限度が購入価格の90%まで許可されています。保証型では、融資条件に住宅融資保険料が掛かり、取扱金融機関は限られています。

フラット35の利点と欠点

フラット35の大きな特長は、以下の利点があります。まず、金利が長期固定であるため、住宅ローン返済中に金利が変動する心配がなく、返済計画が立てやすいという点です。さらに、返済期間は最長35年で、繰り上げ返済手数料や保証料が不要であるため、コスト面でも魅力があります。また、他の住宅ローンからの借り換えや、別荘の購入にも適用可能です。

ただし、欠点も存在します。まず、融資対象には技術基準適合住宅が求められ、これを証明するための手続きが必要です。また、融資事務手数料が発生し、団体信用生命保険が任意であるため、万が一の事態に備える配慮が求められます。さらに、借入期間が短い場合には、他の金融機関の住宅ローンと比較して不利となる可能性もあります。

関連商品：フラット20、フラット50、フラット35S

フラット35には、返済期間が20年以下に限る「フラット20」や、最長50年間の固定金利を提供する「フラット50」などの関連商品も存在します。フラット20は、相対的に金利が低い点が特徴ですが、返済期間を延ばすことができないため、事前に十分な検討が必要です。フラット50は、次世代の住宅ローンとして注目を集め、親子二代にわたる返済が考慮されています。また、「フラット35S」制度では、優良な住宅の取得に対して金利が引き下げられる特典もあります。

結論

フラット35は、安定した返済計画を求める住宅購入者にとって、非常に魅力的な選択肢と言えます。金利の固定性や諸費用の抑制、借り換えの柔軟性など、多くの利点がありますが、技術基準や手数料といった欠点も存在するため、利用を検討する際には各面をしっかりと確認することが重要です。また、新しい関連商品や制度も増えているため、最新情報の確認が推奨されます。

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