フラノエクスプレス

フラノエクスプレス

フラノエクスプレスは、1986年から2004年の間に運行された、北海道旅客鉄道（JR北海道）のジョイフルトレインです。高品質なサービスを提供するためにデザインされ、リゾート地へのアクセスをサポートしました。

概要

1985年の「アルファコンチネンタルエクスプレス」が成功を収めたことを受け、国鉄北海道総局はその取り組みを基にフラノエクスプレスを開発しました。富良野プリンスホテルとの共同プロジェクトで、移動中の快適さとスピード向上を追求しました。この車両のデザインには、JR西日本の新快速シリーズなどで知られる南井健治が関わっています。リゾート列車としての内外装は特に評価され、1987年にはブルーリボン賞を受賞しました。

車両仕様

フラノエクスプレスは、キハ80系気動車をベースにした改造車両です。先頭車はキハ84形、中間車はキハ83形が使用され、改造は国鉄苗穂工場で行われました。以下、主な車両の仕様です。
1. 1号車（キハ84 1）: 展望室と一般席を備えた車両。
2. 2号車（キハ83 1）: 一般席。
3. 3号車（キハ84 2）: 別の展望室と一般席を持つ。

これらの車両はすべて普通車扱いです。

コンセプトとデザイン

フラノエクスプレスのデザインは「スポーティ」と「クリア」をテーマにしており、雪の白、富良野のラベンダーをイメージしたピンク、広い空を連想させる青を用いたラインが特徴です。各車両の扉の横には、アルペンスキー・ワールドカップ大会の公式マスコットもデザインされています。

内装の工夫

客室はシンプルで上品なデザインが施されており、配色はモノトーンの白、黒、ウォームグレーでまとめられています。座席は座り心地を重視し、リクライニングシートに広い座面を採用しました。また、展望室部分は視界を広げるために特別な設計となっています。

技術的特性

走行機器はキハ80系のものを基にしており、特にキハ183系気動車との連結が可能なように制御回路が改良されています。エンジンはDMH17H形を使用し、キハ83形にはサービス電源用の機関が設置されています。

運行の歴史

フラノエクスプレスは、1986年12月20日に札幌駅と富良野駅をつなぐ臨時列車として運行を開始しました。特に1987年には全日本空輸と提携し、「ビッグスニーカートレイン」として特別運行されました。これに伴い、一時的に編成が増強され、ラウンジスペースが設けられるなどしました。この列車は豪華さよりも快適な移動を重視した設計がされており、多くの旅行者に親しまれました。

その後も、フラノエクスプレスはリゾート列車として活躍を続けましたが、1998年の「ラストラン・フラノ」をもって運行を終了し、2004年には正式に廃車となりました。廃車後は一部の車両が留置されていましたが、2015年に解体されました。現在でもフラノエクスプレスの存在は、多くの鉄道ファンの心に残っています。

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