フラムスティード番号

フラムスティード番号について

フラムスティード番号は、恒星に付けられる特有の識別番号であり、その命名法は主にイギリスで発展しました。この番号は、星座ごとに通し番号を付け、名付けの際には星座名の属格を用います。フラムスティード番号は、概ね2554個の天体に対して付与されています。一般的に知られているように、フラムスティード番号はイギリスの天文学者、ジョン・フラムスティードによって考案されたと言われていますが、実は彼自身がこの名称を用いたわけではありません。実際には、彼の権限の下での星表の初版には、この番号は記載されていなかったのです。

起源と発展

フラムスティード番号の起源については諸説あり、1783年にフラムスティードの星表をフランス語に訳した際に用いられた可能性が考えられています。また、アイザック・ニュートンやエドモンド・ハレーがフラムスティードの許可なしに発行した星表も、フラムスティード番号の起草に関連しているかもしれません。結局のところ、正確な起源は未解明であります。

この命名法はバイエル符号といくつかの点で異なっており、例えば、フラムスティード番号は100年以上前に発表されたバイエル符号と比較しても数が多いです。バイエル符号が主に明るい星の等級に応じて配置されているのに対し、フラムスティード番号は天体の視位置に基づいていて、特に西の空を基準にしています。さらにフラムスティード番号はイギリスを中心に比較的観察しやすい52の星座を対象としており、赤緯が約-35度より南側の恒星には適用されないこともあります。

欠番と誤認

この命名法には欠番や誤った名前がいくつか存在します。あるフラムスティード番号の恒星、例えば「おうし座34番星」は、フラムスティードが1690年に観測したものですが、後にこれは天王星を誤って恒星と認識した結果であると判明しています。また、「カシオペヤ座3番星」については、現在の位置に超新星残骸があるため、この恒星は超新星を観察したものだという見解もあります。

他の符号との関係

フラムスティード番号はバイエル符号と密接に関連しています。特に、バイエル符号がある恒星にはほとんどの場合、フラムスティード番号も付けられています。しかしながら、南天中高赤緯においてはフラムスティード番号が存在しないこともあり、加えていくつかの暗い星がバイエル符号を持つ場合もあるため、一部の恒星にはバイエル符号のみが付与されています。一般的に、フラムスティード番号とバイエル符号の両方を持つ恒星はバイエル符号で呼ばれますが、例外も存在します。

もしフラムスティード番号やバイエル符号がともに存在しない恒星を特定する場合、通常はヘンリー・ドレイパー番号（HD + 数字）の形式で呼ばれます。このように、フラムスティード番号は天文学における星の特定と分類において重要な役割を果たしてきました。

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