フランキ・スパス12

フランキ・スパス12（Franchi SPAS-12）

フランキ・スパス12は、イタリアのフランキ社によって設計された散弾銃で、「特殊用途向け自動式散弾銃」の頭文字を取った「スパス」という名称で知られています。この銃は主に軍や警察の用途に特化して開発され、その特徴的なデザインと機能から、散弾銃の中でも特別な位置づけを持っています。

概要

SPAS-12は、フランキ社のディフェンス・システムズ部門が手掛けた製品であり、イタリア軍の軍用散弾銃開発計画に基づいて設計されています。この銃はPA80を基にしており、軍事や警察で使用されることを目的としています。完全な戦闘用散弾銃として、従来の狩猟や競技用散弾銃とは大きく異なる点が多く、ピストルグリップや大型の照準器を含む独自の機能があります。

SPAS-12は、スチール板をプレス加工した銃床を持ち、全長は1メートルを超える設計となっています。12番ゲージのシェルを最大8発装填可能で、軽量化のためにプラスチック素材が多く使われていますが、内部構造が複雑なために全体的に重量感があります。また、銃身周辺には発射後の熱を防ぐため、多数の通気孔が開いたハンドガードが装備されています。

特徴

SPAS-12の最大の特徴は、フォアグリップを操作することで自動式から手動式（ポンプアクション）に切り替えられることです。この「コンバーチブル・ショットガン」としての機能は、発射ガスの圧力を利用したセミオート作動と、手動での操作という２つのモードを提供しており、特定の状況下での迅速な対応が可能となります。これにより、緊急の場合には手動モードに切り替えることでジャムなどのトラブルを回避し、必要に応じた射撃が行えます。

銃に装備される安全装置は、初期モデルでは回転レバー式でしたが、その使い勝手の悪さからリコールを経て押しボタン式に改良されました。銃身の先端部分には互換性のあるアタッチメントを取り付けることができるおねじが施されています。

この銃の折畳み式金属銃床は、U字型のフックが付き、待機状態や片手での射撃時に使えるサポートとして機能します。フックは90度ごとに方向を変えることができ、射手に便利な設計になっています。一方で、銃床を折り畳んだ状態での射撃は、照門が覆われてしまうため、狙いを定めにくくなるという欠点もあります。

弾倉と操作の特性

SPAS-12はチューブ型弾倉を採用しており、弾薬を一発ずつ込める必要があります。このため、一度に多くの弾をリロードすることはできませんが、マガジンカットオフ機能を利用することで外部から異なる弾を装填することも可能です。ただし、弾薬の給弾を一時的に停止すると連射機能が使えなくなるため、臨機応変なリロードが求められます。

一部のモデルとして、ポンプアクション専用のSAS12やセミオート専用のLAW12も存在しますが、現在は共に生産が終了しています。また、SPAS-12には「小型の大砲」という異名があり、その高い装弾数と連射能力から、一部の地域では一般販売が制限されています。

エアガンと使用目的

日本では、SPAS-12のエアガンが東京マルイやKTW、クラウンモデルによって製造されています。東京マルイのエアガンは6mmのBB弾を使用し、ポンプアクション式で最大30発のショットシェルを装填可能です。このモデルは、連射機能やホップアップ機能を搭載し、実際の射撃に近い感覚で楽しむことができます。

以上のように、フランキ・スパス12は、その独特な機能性と耐久性によって、軍や警察関係者から高い評価を得ている散弾銃となっています。

もう一度検索