フランク・トリプカ

フランク・トリプカ：草創期を彩ったQBの生涯

フランク・トリプカ（Francis Joseph Tripucka, 1927年12月8日 - 2013年9月12日）は、アメリカンフットボール黎明期にNFL、CFL、AFLで活躍したクォーターバックです。その足跡は、選手としてだけでなく、背番号にまつわるエピソードでも語り継がれています。

ノートルダム大学時代

トリプカは名門ノートルダム大学に進学。しかし、当時のチームは無敗を誇り、ハイズマン賞受賞者のジョニー・ルジャックが絶対的なエースでした。トリプカは、ルジャックの控えとして出場機会は限られましたが、着実に力を蓄えます。4年生になり、ルジャック卒業後にエースQBとなると、660ヤードのパスと11TDを記録。チームを無敗に導きました。

プロフットボールの世界へ

1949年、トリプカはNFLドラフトでフィラデルフィア・イーグルスから1巡目指名を受けプロ入り。その後、デトロイト・ライオンズ、シカゴ・カージナルス、ダラス・テキサンズとチームを渡り歩きます。カージナルス時代には、1試合で4タッチダウンと1ラッシングタッチダウンを記録する活躍を見せました。しかし、安定した出場機会を得られず、1953年からはCFLのサスカチュワン・ラフライダーズに移籍。

CFLでの活躍

CFLでは、8シーズンに渡ってプレー。サスカチュワンでは先発QBとして活躍し、その後、オタワ・ラフ・ライダーズへ移籍しますが、すぐにサスカチュワンに復帰。1959年シーズンには、チームのクォーターバック不足を救うため、コーチ兼任ながらも試合に出場し、勝利に貢献しました。

デンバー・ブロンコスでの挑戦

1960年、トリプカはAFL（アメリカン・フットボール・リーグ）に創設されたデンバー・ブロンコスに入団。ここで、トリプカは新たな歴史を刻みます。1960年シーズンには、リーグ最多となる34インターセプトを喫する一方で、3000ヤード以上のパスを成功させ、NFL、AFLを通じて初のシーズン3000ヤードパサーとなりました。また、AFL初のタッチダウンパスも記録するなど、ブロンコスのエースQBとして活躍しました。1962年には、パス試投数、パス成功数、パス獲得ヤードでリーグ1位となり、AFLオールスターにも選出されています。

引退と背番号18

1963年、トリプカは再びサスカチュワンに戻り、現役を引退。15シーズンのプロ生活に幕を閉じました。ブロンコスは、トリプカの功績を称え、背番号18を永久欠番としました。2011年、インディアナポリス・コルツからペイトン・マニングがブロンコスへ移籍する際、トリプカはマニングに背番号18の着用を許可。このエピソードは、フットボール界で大きな話題となりました。マニング引退後、背番号18は再びトリプカの永久欠番として永久にその栄誉を称えられています。

晩年

2013年9月12日、トリプカは鬱血性心不全のため、85歳で亡くなりました。フランク・トリプカは、アメリカンフットボール草創期を支えた偉大なクォーターバックとして、その名は永遠に語り継がれるでしょう。

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