『
フランケンシュタインの恋』は、
2017年4月から6月まで日本テレビで放送された、現代日本を舞台にしたオリジナルラブストーリーです。本作は、
メアリー・シェリーの名作『
フランケンシュタイン』を元にした作品で、主演には
綾野剛が務めました。物語は、孤独な怪物が人間の女性に恋をする過程を描いており、その中で人間の感情や愛情、悲しみを通じての葛藤が描かれています。
あらすじ
物語は、120年前に生み出された怪物が、一人の女性・津軽継実に出会い、恋に落ちることから始まります。怪物は、津軽の同級生である稲庭聖哉の実家である稲庭工務店で「深志研」という名前で暮らし始め、周囲の人々との交流を通じて人間の生活を学んでいきます。
ある日、悩みを相談するために参加したラジオ番組で、突如として力を暴走させてしまう深志。これが引き金となり、彼は自らの出生に隠された真実に向き合うことになります。120年前、彼は一人の青年医師・山部呼六として生まれました。彼の運命は、医学に情熱を持ちながらも恋に落ちた女性・サキとの出会いによって大きく変わります。サキとの穏やかな日々の中で、呼六は新種の疫病に感染し、その後の運命を大きく狂わせることになりました。
深志研太郎という医学博士に助けられるも、彼の試みが意図せず仇となり、サキを死に至らしめてしまいます。呼六は復活するものの、自らの記憶を失い、怪物となった自分の存在に悩まされることになります。その葛藤の中で、深志は自身の恋がどれだけ人間的なものであるかを再認識し、継実との関係を深めていくのです。
キャラクター
- 本作品の主人公。120年前に生み出された不老不死の怪物で、自身の存在を受け入れられずに苦しみながらも、津軽継実との関係を通じて人間性を学ぶ。
- 大学で農学を専攻する女子学生で、「菌」の研究を行っている。体が弱いが、好奇心旺盛な性格。
- 継実の同級生で、彼女に想いを寄せる大学院生。深志との出会いを通じて、次第に彼女の幸福を願うようになる。
- 室園美琴や飯塚光毅など、さまざまな個性的なキャラクターが登場し、作品に彩りを加えています。
音楽と制作
音楽はサキタハヂメが担当し、主題歌は
RADWIMPSが歌う「棒人間」が用いられています。また、特に挿入歌の
Uruによる「しあわせの詩」は、深志と継実の関係を際立たせる重要な要素となっています。
本作は、視覚的にも楽しませるための特殊メイクや美術にもこだわり、怪物のキャラクターデザインは澤田石和寛が手がけています。ストーリーの進行を彩る音響効果はアックスが担当し、全体的に高いクオリティに仕上げられています。
『
フランケンシュタインの恋』は、人間の愛の深さや悩み、喜びを描くと同時に、怪物という異なる存在が持つ人間性の可能性を問いかける、非常に特異な作品です。