フランスの政党

フランスの政党

フランスの政党は、その成立と変遷において独特の歴史を持っています。20世紀初頭までは、議会内の議員グループが中心であり、政党としての組織は未発達でした。しかし、1901年に共和党、急進党、急進社会主義党が結成され、1905年には社会党（SFIO）が誕生し、政党政治が幕を開けました。その後、1920年にはフランス共産党（PCF）がSFIOから分離して成立しました。

小党分立から二大政党制へ

フランスの政党は、党規律が弱く、離合集散が頻繁であったため、第四共和政時代までは小党分立の状態が続きました。これにより、内閣の交代が頻繁に起こり、政治の不安定を招きました。しかし、第五共和政において国会議員選挙と大統領選挙に二回投票制が導入されたことが、政党の再編と左右二つの政党ブロックへの統合を促進しました。

左派は社会党（PS）と共産党、右派は共和国連合（RPR）とフランス民主連合（UDF）がそれぞれのブロックで中心的な役割を果たし、二大ブロック四大政党制が確立されました。しかし、1980年代以降、社会党が左派ブロックで優位を占め、共産党が衰退。右派ブロックでは、共和国連合とフランス民主連合が統合し、国民運動連合（UMP）となりました。これにより、社会党と国民運動連合による二大政党制の様相が強まりました。

マクロン大統領の登場と政党の変容

2016年にエマニュエール・マクロンが共和国前進（LREM）を結党すると、その勢力は拡大し、社会党と共和党の二大政党を瓦解させる形でフランスの第一党にまで躍り出ました。マクロンの登場は、フランスの政党政治に大きな変化をもたらしました。

EU離脱を掲げる政党

近年では、EU離脱を主張する政党も存在感を示しています。人民共和連合（UPR）や愛国者達（Les Patriotes）などがその代表例です。

フランスの政党政治は、歴史的な変遷を経て、二大政党制へと移行しましたが、マクロン大統領の登場やEU離脱を掲げる政党の台頭など、新たな局面を迎えています。今後も、フランスの政党政治の動向から目が離せません。

参考文献

大山礼子『制度のメカニズム4　フランスの政治制度』東信堂
France Politique

関連項目

国民議会 (フランス)
元老院 (フランス)

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