国民運動連合

フランス中道右派政党の変遷：国民運動連合から共和党へ

国民運動連合（UMP、Union pour un Mouvement Populaire）は、フランスにおいて重要な役割を果たした保守[[政党]]です。本稿では、その設立から共和党への改称に至るまでの歴史を詳細に解説します。

結成と初期の勢力拡大

UMPは2002年、共和国連合自由民主党およびフランス民主連合の主要メンバーが合併して誕生しました。当初は、ジャック・シラク大統領を支持する与党として「大統領多数派連合」を名乗り、左派の社会党と並ぶフランスの二大政党の一つとして勢力を拡大していきました。シラク大統領に近いアラン・ジュペ元首相が党首を務めていましたが、2004年に汚職事件に巻き込まれて辞任。その後、地方選挙や欧州議会選挙で社会党が躍進する中、ニコラ・サルコジ元経済相が党首に就任し、党の立て直しを図りました。

サルコジ時代と政権獲得

2007年の大統領選挙では、サルコジが経済政策を中心に訴え、勝利しました。大統領就任を前にサルコジは党首を辞任し、その後グザヴィエ・ベルトランが党首を引き継ぎました。しかし、サルコジ大統領の政治手法や高止まりする失業率への国民の不満が蓄積し、地方選挙での敗北が続きました。

2012年の大統領選挙でサルコジは社会党のフランソワ・オランドに敗れ、政権を失墜。続く総選挙でも議席を大幅に減らす大敗を喫しました。同年11月に行われた党首選では、ジャンフランソワ・コペ幹事長がフランソワ・フィヨン前首相を破り、新党首に選出されました。この選挙では両陣営が勝利宣言を行うなど、党内対立の深刻さが浮き彫りになりました。

サルコジの復帰と党名変更

2014年、サルコジは党首選で復帰を果たしました。そして、2015年5月、サルコジ代表の提案に基づき、党員投票の結果、8割以上の賛成を得て、党名を「共和党（Les Républicains）」に変更しました。

結論

国民運動連合は、フランス政治において重要な役割を果たした政党でした。その歴史は、党内対立や選挙結果、指導者交代といった様々な出来事を通して、フランスの政治状況を反映しています。共和党への改称は、一つの時代の終わりと新たな時代の始まりを象徴する出来事と言えるでしょう。UMPの歴史を理解することは、現代フランス政治を理解する上で不可欠です。今後の共和党の動向にも注目が必要です。

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