フランス領ダホメ

フランス領ダホメは、かつてダホメ王国が存在した地域が、フランスによって征服され、植民地支配下に入った時代を指します。1890年のフランスによる征服開始から、1960年のベナン共和国としての完全独立まで、その歴史は様々な変遷を辿りました。

ダホメ王国の終焉とフランス領ダホメの成立

1890年、フランスはダホメ王国への侵攻を開始しました。この際、フランス軍には王国に敵意を抱くヨルバ人などのアフリカ人兵士が従軍しており、王国の弱体化を招いた要因の一つと考えられています。1894年まで続いた抵抗も虚しく、1900年2月12日、ダホメ王国は完全に滅亡しました。

その後、フランスは1904年にダホメ王国をフランス領西アフリカに編入し、この地域はフランス領ダホメとして新たな一歩を踏み出しました。

フランス統治下の発展と苦難

フランスの統治下に入ったダホメでは、コトヌーの都市建設、道路や鉄道の整備、学校施設の設立など、急速な近代化が進められました。しかし、その一方で、原住民は奴隷や兵士として酷使され、すべての住民がその恩恵を享受できたわけではありませんでした。

独立への道のり

第二次世界大戦後、フランスの植民地政策は変化し、1946年10月27日、ダホメはフランス連合に加盟しました。1958年12月11日にはダホメ自治共和国となり、フランス共同体の一員として、独立に向けた準備が進められました。この頃、ダホメ国内では独立運動が高まり、1960年8月5日、ダホメ共和国として完全独立を果たしました。

独立後の民族対立

独立後も、ダホメではヨルバ人、バリバ人、フォン人などの民族間の対立が続きました。その背景には、ダホメ王国滅亡に加担したヨルバ人に対する他民族の怨念があったとされています。これらの民族対立は、独立後のダホメの政治、社会に大きな影響を与えました。

フランス領ダホメの時代は、近代化の恩恵と植民地支配による苦難、そして独立後の民族対立という複雑な遺産を、その後のベナン社会に残しました。

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