フランツ・プフェファー・フォン・ザロモン

フランツ・プフェファー・フォン・ザロモンについて

フランツ・プフェファー・フォン・ザロモン（1888年2月19日 - 1968年4月12日）は、ナチス・ドイツの突撃隊（SA）の指導者として知られる重要な歴史的人物です。彼の出身地はデュッセルドルフで、父親はプロイセンの枢密顧問官として働いていました。青春期から始まる彼の経歴は、第一次世界大戦における志願兵としての従軍からスタートします。戦争が終わる頃には少尉に昇進するも、戦後は激動の時代を迎えます。

彼は戦後、義勇軍（フライコール）に参加し、バルト三国やシュレージエン地方で活動することになります。特に、極右の暗殺組織「コンスル」に加わり、外相ヴァルター・ラーテナウの暗殺事件に関与したことは注目に値します。ラーテナウの暗殺後、この組織は禁止されるものの、ザロモンはその後、ヴェストファーレンのハムの支部を国家社会主義ドイツ労働者党（ナチ党）に改称しました。

1923年のフランスによるルール占領時、彼はヴェストファーレンでレジスタンス組織の設立に尽力し、その名声を高めました。次第にナチス党に接近し、1924年にはヨーゼフ・ゲッベルスやカール・カウフマンと知り合い、ナチスに正式に入党します。この流れの中で、1925年から1926年の間にヴェストファーレンの大管区指導者としての地位を得ました。驚くべきことに、後に親衛隊の全国指導者となるハインリヒ・ヒムラーは彼の秘書を務めたこともありました。

1926年、ザロモンはアドルフ・ヒトラーから突撃隊の最高指導者として任命されます。彼は突撃隊の組織構成を強化し、1929年には突撃隊の幕僚長を設置するなど、組織の発展に寄与しました。しかし、1930年のドイツ国会選挙において、より多くの突撃隊員を候補者に立てるようヒトラーに要求した際、却下されたことに起因して二人の関係は悪化します。その結果、ザロモンは1930年8月12日に突撃隊最高指導者を辞任しました。

彼の辞任後、ヒトラー自身がその役職を兼務し、エルンスト・レームが突撃隊幕僚長としてこの組織の実務を引き継ぎました。ザロモンはこの辞任以降、ナチ党の中枢での活動には関与しなくなりますが、その後1931年から1941年まではナチスの国会議員として活動することになります。

第二次世界大戦後、彼は保守政党であるドイツ党のヘッセン支部に属し、晩年はミュンヘンで過ごします。1968年に彼がこの世を去るまで、彼の複雑な歴史とナチス党内での影響力は多くの議論を呼び続けました。フランツ・プフェファー・フォン・ザロモンの人生は、ナチス・ドイツの内部政治や突撃隊の歴史を学ぶ上で非常に重要なものとなっています。

参考文献

• - 桧山良昭『ナチス突撃隊』白金書房、1976年
• - 阿部良男著、『ヒトラー全記録 ：20645日の軌跡』、2001年、柏書房、ISBN 978-4760120581

もう一度検索