フラー神学大学

フラー神学大学院の紹介

フラー神学大学院（Fuller Theological Seminary）は、アメリカ・カリフォルニア州パサデナにある超教派的なプロテスタント系の神学大学院で、世界中で最大規模を誇ります。1947年の創立以来、教育の厳しさや多様な民族・教派の受け入れに定評があります。現在では67か国から108を超える教派の学生4,300人以上が在籍しており、幅広い宗教的背景を持つ学生が集まる場となっています。

この大学院は、神学研究科、心理学研究科、国際文化学研究科の3つの大学院を持ち、それぞれが協力して多彩な学位を授与しています。また、各種研究センターも設置されており、学際的な研究が進められています。入学にあたって特定の信仰箇条を厳格に求めることはないため、非キリスト教徒やローマカトリック、正教会、新興教派からの学生も受け入れています。このようにフラー神学大学院は多様性を重視しており、特に高等神学研究所(CATS)などにはプロテスタント以外の聖職者も在籍しています。

歴史的背景

フラー神学大学院は、ラジオ伝道者チャールズ・フラーやハロルド・オッケンガなどによって設立されました。その理念は1920年代から1940年代にかけて台頭したファンダメンタリズムへの改革の必要性から生まれました。創立初期の教授陣は、保守的な信念を持つ者もいましたが、1960年代から1970年代にかけて進歩的福音主義の思想を持つ神学者たちが加わり、教育内容に大きな影響を与えました。ただし、理事会は福音的な学校としての姿勢を堅持し続け、一般大学への移行は目指していません。

教授陣と卒業生

フラー神学大学院には多様な背景を持つ教授が在籍しており、学生たちは神学的な問題や社会的な論点について活発な議論を交わしています。著名な教授には、創立者のハロルド・リンゼルやハロルド・オッケンガ、著名な神学者ピーター・ワグナーなどが含まれ、その影響力は大きいです。

卒業生の中には、クリスチャン・ボイス協会のロバート・グラントや、ベツレヘム大学の学長ジョン・パイパーなどが名を連ねています。また、日本からの卒業生も多く、太平洋放送協会の羽鳥明や、シカゴ大学でPh.D.を取得した大島末男などがあります。

教育に対するアプローチ

この大学院では、神学の教えに加え、心理学や国際文化に関する広範なプログラムも提供しており、学生は多角的な視点から学ぶことができます。これにより、学生たちはクリスチャンとしての信仰を深めるだけでなく、社会における実践的な問題に対しても応用の効く教育を受けています。神学的な結束が強い一方で、多様な意見が尊重されるフラー神学大学院は、今後も多くの学生に新たな知見を提供し続けることでしょう。

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