フレイミン・グルーヴィーズ
フレイミン・グルーヴィーズ（The Flamin' Groovies）は、1965年にアメリカのサンフランシスコで結成されたロックバンドです。中心メンバーはギタリストのシリル・ジョーダンとボーカリストのロイ・ロニー。彼らは商業的な大成功を収めることはありませんでしたが、その独自の音楽性は、アメリカのガレージロックやイギリスのパブロックなど、後のロックシーンに大きな影響を与えました。バンドのサウンドとイメージは、ロイ・ロニーが率いた第1期（1965年～1971年）と、クリス・ウィルソンがボーカルに加わった第2期（1971年～1981年）で大きく変貌を遂げました。しかし、その根底には、時代や流行に左右されることなく、シンプルかつ普遍的なロックンロールを追求し続けるという強い意志が一貫して存在しました。
バンド結成初期の作品、例えばEP『Sneakers』（1968年）やファーストアルバム『Supersnazz』（1969年）では、彼らの根幹であるロックンロールに、ラヴィン・スプーンフルを思わせるようなラグタイムやフォークの要素を取り入れたユニークなサウンドを聴かせました。しかし1960年代末、デトロイトでMC5の強烈なライブを体験したロイ・ロニーは衝撃を受け、バンドの方向性を転換させます。セカンドアルバム『Flamingo』（1970年）やサードアルバム『Teenage Head』（1971年）では、より荒々しく直情的なガレージロックの色合いを強めていきました。
1971年にロイ・ロニーが脱退すると、新たなボーカリスト兼ギタリストとしてクリス・ウィルソンが加入し、バンドは活動の主要な拠点をイギリスへと移しました。当初は前任者であるロイ・ロニー時代のレパートリーを中心に演奏し、ガレージロックの荒々しさを残していましたが、イギリスでの精力的なライブ活動やシングルリリースを重ねるうちに、初期のビートルズやバーズといったメロディ志向のバンドから影響を受けた、より洗練されたサウンドへと変化していきました。メロディアスでありながらもしっかりとしたビート感を併せ持つ彼らのサウンドは、後にパワー・ポップというジャンルが確立される上でも重要な役割を果たしたとされています。
当時のメインストリームの流行とは一線を画していたため、なかなか大手レコード会社との契約には至りませんでした。しかし、ガレージロックの重要コンピレーション盤『ペブルス』の編集者として知られるグレッグ・ショウの強力な推薦もあり、1976年にサイアー・レコードと契約を結ぶことに成功します。そして同年、パブロック界隈で名高いデイヴ・エドモンズをプロデューサーに迎えて制作されたアルバム『Shake Some Action』をリリース。この作品はバンドの代表作として広く知られ、パワーポップの金字塔の一つとも評されています。サイアー・レコードからはその後も2枚のオリジナルアルバムを発表しました。
1981年にクリス・ウィルソンがバラクーダーズ参加のために脱退。その後もオリジナルメンバーであるシリル・ジョーダンとジョージ・アレキサンダーを中心にライブ活動は続けましたが、メンバーチェンジが頻繁に起こり、1992年にバンドは一度活動を停止しました。解散後、シリル・ジョーダンはマジック・クリスチャン、クリス・ウィルソンはグルーヴィン・フレイムスといったバンドを率いるなど、それぞれの音楽活動を続けます。2000年代後半になると、かつてのメンバーたちが再び交流を深め、ジョイントライブを行ったり、クリスのソロ作品に参加したりするようになる。そして2013年4月には、シリル・ジョーダン、クリス・ウィルソン、ジョージ・アレキサンダーという、バンドの主要メンバーが揃ったラインナップで、実に結成以来初となる待望の来日公演を実現させました。
シリル・ジョーダン (Cyril Jordan) ギター、ボーカル （在籍1965年 - 1992年）
ロイ・ロニー (Roy Loney) ボーカル （在籍1965年 - 1971年）
ティム・リンチ (Tim Lynch) ギター （在籍1965年 - 1971年）
ジョージ・アレキサンダー (George Alexander) ベース （在籍1965年 - 1992年）
ダニー・ミーム (Danny Mihm) ドラム （在籍1966年 - 1973年、1981年 - 1982年）
ジェームズ・ファレル (James Ferrell) ギター （在籍1971年 - 1976年）
クリス・ウィルソン (Chris Wilson) ボーカル、ギター （在籍1971年 - 1981年）
デヴィッド・ライト (David Wright) ドラム （在籍1973年 - 1980年）
マイク・ウィルヘルム (Mike Wilhelm) ギター （在籍1976年 - 1984年）
Supersnazz (1969)
Flamingo (1970)
Teenage Head (1971)
Shake Some Action (1976)
The Flamin' Groovies Now! (1978)
Jumping in the Night (1979)
Fantastic Plastic (2017)
Sneakers (1968)
Grease (1973)
"Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu" (1969)
"Teenage Head" (1971)
"Slow Death" (1972)
"You Tore Me Down" (1974)
"Shake Some Action" (1976)
Still Shakin' (1976)
Groovies' Greatest Grooves (1989)
California Born and Bred (1995)
第1期（ロイ・ロニー期：1965年～1971年）
バンド結成初期の作品、例えばEP『Sneakers』（1968年）やファーストアルバム『Supersnazz』（1969年）では、彼らの根幹であるロックンロールに、ラヴィン・スプーンフルを思わせるようなラグタイムやフォークの要素を取り入れたユニークなサウンドを聴かせました。しかし1960年代末、デトロイトでMC5の強烈なライブを体験したロイ・ロニーは衝撃を受け、バンドの方向性を転換させます。セカンドアルバム『Flamingo』（1970年）やサードアルバム『Teenage Head』（1971年）では、より荒々しく直情的なガレージロックの色合いを強めていきました。
第2期（クリス・ウィルソン期：1971年～1981年）
1971年にロイ・ロニーが脱退すると、新たなボーカリスト兼ギタリストとしてクリス・ウィルソンが加入し、バンドは活動の主要な拠点をイギリスへと移しました。当初は前任者であるロイ・ロニー時代のレパートリーを中心に演奏し、ガレージロックの荒々しさを残していましたが、イギリスでの精力的なライブ活動やシングルリリースを重ねるうちに、初期のビートルズやバーズといったメロディ志向のバンドから影響を受けた、より洗練されたサウンドへと変化していきました。メロディアスでありながらもしっかりとしたビート感を併せ持つ彼らのサウンドは、後にパワー・ポップというジャンルが確立される上でも重要な役割を果たしたとされています。
当時のメインストリームの流行とは一線を画していたため、なかなか大手レコード会社との契約には至りませんでした。しかし、ガレージロックの重要コンピレーション盤『ペブルス』の編集者として知られるグレッグ・ショウの強力な推薦もあり、1976年にサイアー・レコードと契約を結ぶことに成功します。そして同年、パブロック界隈で名高いデイヴ・エドモンズをプロデューサーに迎えて制作されたアルバム『Shake Some Action』をリリース。この作品はバンドの代表作として広く知られ、パワーポップの金字塔の一つとも評されています。サイアー・レコードからはその後も2枚のオリジナルアルバムを発表しました。
以後の活動
1981年にクリス・ウィルソンがバラクーダーズ参加のために脱退。その後もオリジナルメンバーであるシリル・ジョーダンとジョージ・アレキサンダーを中心にライブ活動は続けましたが、メンバーチェンジが頻繁に起こり、1992年にバンドは一度活動を停止しました。解散後、シリル・ジョーダンはマジック・クリスチャン、クリス・ウィルソンはグルーヴィン・フレイムスといったバンドを率いるなど、それぞれの音楽活動を続けます。2000年代後半になると、かつてのメンバーたちが再び交流を深め、ジョイントライブを行ったり、クリスのソロ作品に参加したりするようになる。そして2013年4月には、シリル・ジョーダン、クリス・ウィルソン、ジョージ・アレキサンダーという、バンドの主要メンバーが揃ったラインナップで、実に結成以来初となる待望の来日公演を実現させました。
主なメンバー
シリル・ジョーダン (Cyril Jordan) ギター、ボーカル （在籍1965年 - 1992年）
ロイ・ロニー (Roy Loney) ボーカル （在籍1965年 - 1971年）
ティム・リンチ (Tim Lynch) ギター （在籍1965年 - 1971年）
ジョージ・アレキサンダー (George Alexander) ベース （在籍1965年 - 1992年）
ダニー・ミーム (Danny Mihm) ドラム （在籍1966年 - 1973年、1981年 - 1982年）
ジェームズ・ファレル (James Ferrell) ギター （在籍1971年 - 1976年）
クリス・ウィルソン (Chris Wilson) ボーカル、ギター （在籍1971年 - 1981年）
デヴィッド・ライト (David Wright) ドラム （在籍1973年 - 1980年）
マイク・ウィルヘルム (Mike Wilhelm) ギター （在籍1976年 - 1984年）
ディスコグラフィー（一部抜粋）
オリジナルアルバム
Supersnazz (1969)
Flamingo (1970)
Teenage Head (1971)
Shake Some Action (1976)
The Flamin' Groovies Now! (1978)
Jumping in the Night (1979)
Fantastic Plastic (2017)
EP
Sneakers (1968)
Grease (1973)
シングル
"Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu" (1969)
"Teenage Head" (1971)
"Slow Death" (1972)
"You Tore Me Down" (1974)
"Shake Some Action" (1976)
コンピレーションアルバム
Still Shakin' (1976)
Groovies' Greatest Grooves (1989)
California Born and Bred (1995)
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