フレゼリク8世 (デンマーク王)

フレゼリク8世は、1843年6月3日にコペンハーゲンで生まれました。父はグリュックスブルク公クリスティアン、母はヘッセン＝カッセル方伯家出身のルイーゼで、フレゼリク7世の孫にあたります。当時、両親は王位継承者として注目されておらず、コペンハーゲンの邸宅で子供たちを育てました。

フレゼリクは王太子として、1864年の第二次シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン戦争に従軍しました。その後、父王の統治をよく補佐しました。1906年、父王の崩御に伴い、64歳で王位を継承しましたが、高齢と病気のため、その能力を十分に発揮できた期間はわずかでした。

即位後、フレゼリク8世はフランスへの旅行からの帰途、ドイツのハンブルクに立ち寄りました。到着した夕刻に、お忍びでユングフェルンスティークを散歩中、気を失い倒れているところを警察官に発見されました。病院へ搬送されましたが、心臓麻痺のため亡くなりました。他の王族と同様に、コペンハーゲン近郊のロスキレ大聖堂に埋葬されています。

フレゼリク8世は、父王以上に議会主義体制に好意的な自由主義的な統治者であったと評価されています。デンマーク、ノルウェー、ベルギー王家、ルクセンブルク大公家は、フレゼリク8世の血を引いています。ノルウェー王家は次男カールを通じて、ベルギー王家とルクセンブルク大公家は次女インゲボーの娘アストリッドを通じて繋がっています。

フレゼリク8世は、1869年7月28日にスウェーデン国王カール15世の王女ロヴィーサと結婚し、4男4女をもうけました。

子供たちは以下の通りです。

クリスチャン・カール・フレゼリク・アルバート・アレクサンダー・ヴィルヘルム（1870年 - 1947年）：デンマーク王クリスチャン10世
クリスチャン・フレゼリク・カール・ゲーオア・ヴァルデマー・アクセル（1872年 - 1957年）：ノルウェー王ホーコン7世
ルイーセ・カロリーネ・ヨセフィーネ・ソフィー・テューラ・オルガ（1875年 - 1906年）：1896年にシャウムブルク＝リッペ侯子フリードリヒと結婚
ハーラル・クリスチャン・フレゼリク（1876年 - 1949年）：1909年にグリュックスブルク公女ヘレーネ・アーデルハイトと結婚
インゲボー・シャーロッテ・カロリーネ・フレゼリケ・ルイーセ（1878年 - 1958年）：1897年にスウェーデン王子・ヴェステルイェートランド公カールと結婚
テューラ・ルイーセ・カロリーネ・アマーリエ・アウグスタ・エリサベト（1880年 - 1945年）
クリスチャン・フレゼリク・ヴィルヘルム・ヴァルデマー・ゴスタウ（1887年 - 1944年）
ダウマー・ルイーセ・エリサベト（1890年 - 1961年）：1922年にヨアン・カステンスキョルと結婚

フレゼリク8世は、万国平和会議やハーグ陸戦条約にも関与しており、国際的な平和運動にも関心を示していました。

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