フレデリック・ウィリアム・ヘンリー・マイヤース

フレデリック・ウィリアム・ヘンリー・マイヤースについて

フレデリック・ウィリアム・ヘンリー・マイヤース（1843年2月6日 - 1901年1月17日）は、古典文学者、詩人としての顔を持ちながら、心霊研究にも深く関与した人物です。彼はロマン主義の影響を受けつつ、詩人としての道を追求しましたが、最終的には心霊主義の探究へと進んでいきました。彼の業績は、ウィリアム・ジェームズやカール・ユングなど、後の心理学者たちに深い影響を及ぼしたとされています。

初期の経歴

マイヤースはイギリス、カンバーランド州の牧師の家に生まれました。幼少期から古典教育を受け、詩の才能を早くから示し、14歳で詩のコンテストに優勝するなど、将来を期待される詩人としての才能が秘められていました。特に彼が発表した『聖パウロ』や『洗礼者聖ヨハネ』は高く評価され、多くの支持を集めました。しかし常に詩人としての道とその責任に葛藤し、最終的には詩の世界から離れていきました。

心霊研究の道へ

彼の心霊主義の研究は、青春時代に同性愛者としての悩みを抱え、信仰と理性の間で葛藤した結果生まれたものです。1873年以降、知人の降霊会に参加し、オックスフォード大学の霊媒、ウィリアム・ステイントン・モーゼスとの出会いが、彼を心霊現象の研究に導きました。特に恋人であるアニー・イライザの死は、マイヤースにとって心霊研究を本格的に始める大きな契機となりました。

1880年代には、ヘンリー・シジウィックとともに心霊現象研究協会（SPR）を設立。当初は死者との交流を目指していましたが、徐々に心霊現象そのものについての考察を深めていきました。彼は『人間の人格とその死後存続』という大著を執筆し、心霊研究の集大成をまとめました。

理論と思索

マイヤースの研究は、霊の存在とその証明を試みるものでした。彼は、人間の人格が肉体から独立して生存し得るという理論を提唱しました。つまり、肉体を超えた何らかのエネルギーが存在し、それが死後も存続するという考えです。この考え方は、彼が初めて「超常」や「テレパシー」といった言葉を使用したことに端を発します。

また、彼は人間同士で無意識に交易が行われているという見解を持ち、これが愛や帰属の証明になると考えました。霊媒や潜在意識による心霊現象の多くは、テレパシーの結果であるとする彼の見解は、後のSCRでの懐疑主義につながりました。

晩年と死後

マイヤースは1901年に58歳で亡くなりましたが、死後も彼の研究は評価され続けました。彼は生前、死後の世界についての研究を希望し、友人に自らのメッセージを預けていましたが、実際に彼の死後に霊媒を通して送られたメッセージが彼の学説と一致していることから、彼の思想が霊界でさらに進化したのではないかとも考えられています。

その後も、彼の思想は心霊学やオカルト研究に影響を与え続け、現代においてもその理論の一部は引用されています。マイヤースの研究は、科学と宗教の接点に存在し続け、新たな領域を探求するための貴重な足がかりとなりました。

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